岡島 建(教室主任)

<専門分野>  歴史地理学、河川水運、近代化
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<簡単な自己紹介>
 専門は歴史地理学、特に近代都市と交通の関わりについての研究である。より具体的なテーマとしては、近代日本における河川水運が都市や産業の発達に果たす役割を明らかにすることである。日本の河川は急流であるが、江戸時代には年貢米をはじめ荷物の内陸輸送に川船を盛んに利用した。このことは日本史の一般常識と言える。しかし、明治になると鉄道の発達によって、日本の河川水運はまたたく間に衰退したというのが、これまた一般常識であった。しかし鉄道の建設はお金がかかる。運賃も高かった。それなのに安い川船が急に使われなくなるだろうか。このことに疑問を持ったのが、研究の発端である。
 今もその気は多少あるが、幼い頃から鉄道と地図のファンであった。あまり行動的ではない少年であり、時刻表と地図帳を愛読書とし、好きなことができそうだというだけで、大学は文学部地理学専攻を選んだ。入学してみると、大学で学ぶ地理学は、好きだった地理とは異なり、結構苦労した。卒論もうまくいかず、このままでは終われないと、一年かけて前述のテーマを見つけ、大学院に進学した。その後も順調ではなく、恩師のおかげによるところも多かったが、なんとか現在に至っている。
 
<最近の研究業績など>
・「近代移行期の水上交通に関する研究動向」交通史研究56号、pp.69-79、2005。
・「近代都市大垣の発達と河川水運の利用」人文学会紀要37号、pp.155-174、2005。
・「近代後期における都市運河事業の展開―名古屋・大垣・岐阜の事例を中心に―」交通史研究58号、pp.25-42、2005。
・「都市計画における運河事業の展開」(山根拓・中西僚太郎編『近代日本の地域形成―歴史地理学からのアプローチ―』海青社、pp.163-181)、2007。
・「コミュニティバス運行の現状と課題―東京都杉並区および西東京市の事例を中心に―」(大矢康一と共著)国士舘大学地理学報告16、41-55、2008。
 
 
<指導した卒論の例>
・秀吉系大名によるヨコ町型城下町の建設 −池田輝政を事例に−
・長岡城下町における地域構成とその歴史的変遷
・横須賀城下町の歴史的変遷と地域構造
・防火機能に焦点を当てた城下町の空間構造の研究-群馬県近世安中城下町を中心に-
・近世城下町の近現代における変遷過程−宇都宮と小田原を事例に−
・近現代における渋谷駅を中心とする交通網の変容−バス路線網を中心に−
・近代における温泉開発と鉄道について −花巻温泉、花巻電鉄を事例に−
・鉄道建設の地域的展開の差異−1920年代の山形県村山地方と静岡県遠州地方を例にして−
・玉川上水分水における近現代にみられる機能変化と変遷−福生分水・拝島分水を中心に−
・つくばエクスプレス開通に伴う沿線地域の変化と影響
・東京都におけるコミュニティバスの現状と課題−杉並区・西東京市を事例として−
・千葉県南部地域における高速バス路線の現状と課題