歴史学は先人の足跡を追うことによって現在の自分を考え直してみようとする学問です。この専攻では、主として遺跡や遺物によって歴史を考えようという考古学と、古文書や古記録といった文献から歴史を見ようという文献史学の、大きく2つの方法で研究を進めようと目指しています。

 1966年(昭和41年)の文学部創設以来「国史学専攻」と称してきた私どもの専攻は、2004年度(平成16年)より「考古・日本史学専攻」と名称を変え、授業内容(カリキュラム)も時代にあったものに一新しました。あわせて学期制(セメスター制)を徹底させ、春秋の学期で授業の区切りをつけるよう工夫しました。

  将来進むであろう専門分野を絞る参考にするように、基礎課程でも「古代(中世〜現代)史料を読む」という授業を設定し、時代の雰囲気に触れる工夫をしました。近年著しい問題関心のひろがり、研究方法の多様化に対応するため、伝統的な「史学概論」とか「古文書学」の講義名を「日本史学の基礎」「史料と史料学」などに改め、よりとりつきやすく、また新しい動向にも敏感になるよう授業内容を工夫しました。男女の社会的・文化的性差を考えてみようという「日本史の中のジェンダー」、日本の置かれた国際的な位置づけを考えてみようという「国際交流の歴史」、日本人の生活を考えてみようという「日本の民俗」「文化と伝承」など、時代にとらわれない研究関心にも挑戦しています。

 考古学にせよ文献史学にせよ、遺跡や遺物、文書や記録といった史料に直接触れることは大切なことです。私たちはなるべく早い時期からそのような経験ができるような授業内容を用意しました。

  考古学分野の実習は、春休み、夏休みの数十日間を、栃木県、千葉県、神奈川県などの発掘現場に泊まり込んで集中的に取り組みます。また文献の実習は、毎週の授業のほか、その後に行う主として学生同士の研究会活動、夏休みには新潟県の史料所蔵 先への訪問調査と、常に史料に触れることができる体制が用意されています。

  スタッフは、平成17年度予定で専任教員8名、専任の技術職員1名、それに非常勤の教員14名です。様々な分野の専門家を揃え、学生諸君の多様な興味に応えようとしています。この専攻を是非応援してください。