考古学実習は、毎年夏と春の長期休暇を利用して集中的に行われます。遺跡の発掘調査から、出土した遺物の整理作業といった、考古学を学ぶ上での基本的な方法、技術を習得することができます。しかし、国士舘大学の考古学実習最大の特徴はなんと言っても一年次から参加できるということです。
実習で行う作業内容は発掘・遺構の実測や写真撮影・出土した遺物の実測・拓本などの、考古学的研究を行ううえでの基本的な作業です。今年度は、神奈川県海老名市の相模国分寺跡の発掘調査、茨城県霞ヶ浦町の柏崎窯跡群・富士見塚古墳の出土の埴輪や副葬品の整理作業を行います。新聞などでご覧になったこともあるかもしれませんが、どの遺跡も歴史的にとても重要な意味を持つ遺跡です。このような第一級の遺跡の発掘や、遺物に触れることができるのも、この考古学実習の大きな魅力の一つです。
考古学実習は全面的に須田勉先生のご指導のもとで行いますが、実習の準備・運営、調査などは学生が中心となって行います。実習中は宿舎を借りての合宿形式をとっており、一年生から四年生、さらに大学院生までが、一つ屋根の下で考古学を学びます。共同生活の中で、上級生が今まで得た知識・経験は下級生に受け継がれ、下級生の素朴な考え方・疑問から新たな見方を得ることもあり、お互いに意見を出し合い、議論しあいながら考古学を学ぶことができます。実習中は一日中遺物や資料に接することができ、考古学に興味を持つ者にとっては最高の機会だと思います。
このように、考古学を志す者には、最高の場である考古学実習ですが、得られるものは考古学の知識・技術のみではありません。炎天下での発掘作業、一日中遺物と向かい合う整理作業、先生や先輩との集団生活などを経て、たくさんの仲間と出会うことが出来ます。全国から集まった、様々な価値観をもつ仲間たちと触れ合うことによって、考古学だけでない、様々なことを学ぶことができるはずです。考古学実習で得た経験、仲間は一生モノであることを保障します!ぜひ皆さん自身の目で、身体で考古学実習に触れてみてください。
四年 橋本直弥
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