※ 「今月の衛星画像」 2010年のテーマは 境界 です ※

Vol.12-04    2010年04月号

北緯50度をまたぐ川

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「今月の衛星画像」で使用したデータの中には、「研究利用目的配布」で購入したデータが含まれています。
ADEOS衛星の場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。MOS,MOS-1bの場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。
LANDSATの場合、データ所有は米国政府、提供はSpace Imaging(R)/宇宙開発事業団です。
SPOTの場合、COPYRIGHT CNES、提供はSPOT(R)/宇宙開発事業団 です。
また、メリーランド大学のアーカイブデータを使用することもあります。

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 2010年のテーマは、「境界」です。衛星画像を使って、世界の「境界」を見てまわりましょう。


※写真や画像の引用に関する問い合わせは、こちらのリンク先ページをご覧下さい。


 島国日本に、国際河川はありません。国際河川とは、複数の国を通る川で、流域国間で条約が結ばれ、自由航行と平等待遇が認められている河川のことです。少し気になることがあって「樺太」のことをWebで検索していたら、ウィキペディアに「かつて日本にも国際河川が存在した」と書かれたページが出てきました。リンク先のページには「幌内川(ほろないがわ)は、樺太の北から南へと流れる河川である。長さ320kmは利根川に匹敵する長さを誇り、樺太の日本統治時代の当時は日本唯一の国際河川として知られていた。」という記載がありました。複数のページにあるようなので、同じ方が書いているのかもしれません。北緯50度をまたいで流れているこの河川に、日露間で条約が結ばれていたのでしょうか?。疑問符を付けたのは、グーグルアースの高解像画像で見ると船が行き交うことができるような川には見えないからです。単に、国境をまたぐ川なので、国際河川とよばれていた ということなのでしょうか。ウラをとる時間がありませんでした。ところで、ここで出てきた「幌内川」はボロナイ川の当て字のようです。別のページをみたら、古い文書が出てきて、かつてこの川は、鮭や鱒の遡上で有名な河川だったと書いてありました。現在ではどうなっているのでしょうか。サハリンは、巨大魚が釣れる地として、つりの愛好家には人気の場所だそうで、日本からも釣りツアーが出ているそうです。
 ところで、日本の地図帳で国別に色分けされた世界地図を見ると、かつての「南樺太」にあたる地域は白抜きになっています。外務省のWebにあった地図をみるとやはり白抜き。この理由は地理の学生だったら知っていますよね?


地図1 ピンクの矩形は画像1(下右)の範囲を示す 地図2 外務省「北方領土地勢図」からその一部分を引用
画像1 2002年6月14日のランドサット画像を使った鳥瞰図(南西上空から)中央を流れる川が、かつて「幌内川」とよばれた川。

画像2 グーグルアースの画像から    後背湿地に残された蛇行のあとが美しい