※ 「今月の衛星画像」 2011年のテーマは 世界の湖沼 です ※
Vol.13−04
2011年04月号
「ウユニ塩湖 Salar de Uyuni(塩原)」
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「今月の衛星画像」で使用したデータの中には、「研究利用目的配布」で購入したデータが含まれています。
ADEOS衛星の場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。MOS,MOS-1bの場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。
LANDSATの場合、データ所有は米国政府、提供はSpace Imaging(R)/宇宙開発事業団です。
SPOTの場合、COPYRIGHT CNES、提供はSPOT(R)/宇宙開発事業団 です。
また、メリーランド大学のアーカイブデータを使用することもあります。
2011年のテーマは、「世界の湖沼」です。衛星画像を使って、世界の「湖沼」を見てまわりましょう。
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ウユニ塩湖は、ボリビア南西部、アンデス山脈にある高原地帯(アルティプラーノ)にある広大な塩の大地である(地図1)。正式には塩原(えんげん)といった方がよいそうなので、以後は塩原と記すことにする。塩原のある部分は、標高約3,700m付近に広がり、南北約100km、東西約250km、面積約12,000km2の広大な平坦地である。塩原の成因は、水分の蒸発が盛んなこの地域で塩類やミネラルを含んだ河川水が出口のない窪地に流れ込み、蒸発で濃縮された結果、塩類堆積物が集積したというものであろう。 この地域をナチュラルカラーやトゥルーカラーでみると、雪原のようにまぶしく輝いて見える(画像1)。グーグルアースの画像でも白一面でおもしろくない。塩原は起伏が50cm程度しかないという。乾期(7月頃〜10月頃)には塩原はほぼ乾いておりその上を自動車で簡単に走行できるが、雨期には若干の水が溜まり場所によっては自動車による走行ができないところもあらわれるという。定期的に少量ではあるが雨が降るため、塩原の表面の起伏が小さくなるのだそうだ。乾期でも塩を数cmから数十cm掘ると水がしみ出てくる(以上はウィキペディアによる)。真っ白に見える塩原も、LANDSATのTM7のような長波長のセンサーで観察すると表面にはさまざまなパターンが見えるようになる。画像2は、陸の部分をトゥルーカラーで作り、塩原の部分は(TM2-TM5)÷(TM2+TM5)というバンド間演算で作った画像に色をつけ、二種類の合成画像を作って合成したものだ。画像で見える直線上のパターンは轍なのだろう。また、塩原の表面には様々な凹凸(のような模様)が見られる。 ウユニ塩原は、リチウム埋蔵量で世界の半分を占めると見積もられているという。電気自動車の電池などに使うリチウムの需要は、将来的に高まると予想され、新たなリチウム産地としても注目されている。ウユニ塩原のリチウムは、未開発ではあるが埋蔵量ベースで世界の50%近くにあたるという(日経ビジネス;http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20080407/152450/)。 |
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地図1 チチカカ湖とウユニ塩湖(塩原)とその北にコイパサ塩湖(塩原) |
画像1 LANDSATのトゥルーカラーでみたウユニ塩湖(塩原) スケールは100km、1999年8月20日に取得されたデータにより作成。ウユニの北には、コイパサ塩湖(塩原)がある。 |
画像2 ウユニ塩湖(塩原) |