※ 「今月の衛星画像」 2013年のテーマは 世界の森林 です ※

Vol.15
-04    2013年04月号

 南半球の歴史を語る森 マダガスカルの森林

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「今月の衛星画像」で使用したデータの中には、「研究利用目的配布」で購入したデータが含まれています。
ADEOS
衛星の場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。MOS,MOS-1bの場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。
LANDSAT
の場合、データ所有は米国政府、提供はSpace Imaging(R)/宇宙開発事業団です。
SPOT
の場合、COPYRIGHT CNES、提供はSPOT(R)/宇宙開発事業団 です。
また、メリーランド大学やUSGSのアーカイブデータを使用することもあります。

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 2013年のテーマは、「世界の森林」です。衛星画像を使って、世界の「三角州」を見てまわりましょう。


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 アフリカ大陸の南東にあるマダガスカル島は、南北1600km、東西600kmの大きさで世界で4番目に大きな島である。島の南部を南回帰線が通る。島の中央部には高地が広がりこの部分の気候は温暖である。植物学者湯浅浩史は「マダガスカルは、大陸が分離する前の、カンブリア紀ゴンドワナ超大陸のほぼ中央に位置していた。このためマダガスカルの植物は「南半球の歴史を物語る“証人”であり、植物の系統や進化を考えるうえで重要な鍵を握っている」と述べている(『季刊民族学』第1号、1977年)。

 マダガスカル島をWeb地図で眺めると、中央部分に台地のような地形が広く広がって見える(画像2の断面図参照)。中央高地とよばれる部分で、標高はおおむね1000~2000mでかなり起伏に富んでいる。この中央高地には森林が広がっていたが、小起伏な地域は水田や畑地として開墾され、マキ材の伐採、放牧のための火入れで広く焼かれ草原に変わってしまった場所も多いという。

中央高地の東斜面は急傾斜でインド洋の深海まで続く(断面図参照)。分水嶺は東に寄っており、島の東斜面は南東貿易風の影響で雨が多く熱帯雨林が広がる。いっぽう島の西部や南西部では乾燥地帯が広がる。南部には砂漠がある。先に述べたように、中央高地の森林は失われつつあり土砂の流出も著しい。独自の動植物相を持つ森林も、目の前に危機が迫っているようだ。

 画像1 マダガスカル島中央部    1990年4月、1993年5月のLANDSAT TM RGB:432 4シーンのモザイク
 
 画像2 マダガスカル島の東西断面図 (ほぼ画像1の場所)