※ 「今月の衛星画像」 2020年のテーマは カラーコンポジットの世界 です ※
 Vol.22
−08    2020年08月号

コーンベルト地帯の農場 アイオワ州中央部

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ADEOS
衛星の場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。MOS,MOS-1bの場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。
LANDSAT
の場合、データ所有は米国政府、提供はSpace Imaging(R)/宇宙開発事業団です。またLANDAT8画像については産総研のサイトも利用しています。
SPOT
の場合、COPYRIGHT CNES、提供はSPOT(R)/宇宙開発事業団 です。
また、メリーランド大学やUSGSのアーカイブデータを使用することもあります。

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 2020年のテーマは カラーコンポジットの世界 です


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  アメリカのハートランド(中心)とよばれるアイオワ州は、第四紀に大部分の地域が氷河に被われていた。そのため、地形は緩やかな起伏はあるものほぼ平坦である。細かく浅い谷がこの丘陵地帯を侵食している。いっぽう、氷河におおわれなかった北東部は河川によって深く浸食されており、100〜120mほどの比高を持つ丘陵になっている(画像1)。
 州でもっとも平坦な中北部の五大湖西部低地は、肥沃な土壌が発達した土地として知られており、ほかの地域も氷河の影響で運搬され堆積した礫や砂・泥が被う平原である。
 コーンベルトというと、地平線の向こうまでトウモロコシ畑が広がるアメリカの田舎のイメージそのものでトウモロコシ畑を野球場にした主人公が登場する「フィールド・オブ・ドリームス」の舞台になったのもこのアイオワ州である。アイオワ州はアメリカでも有数の農牧業州で,主要農作物はトウモロコシ,ダイズ,エンバクなどであるが,その多くは家畜の飼料用である。比較的平坦な土地と有機物質分の高い肥沃な深い土壌が農牧業州を作る背景にある。ちなみに、アメリカのトウモロコシの40.3パーセントは飼料用として、29.6パーセントがバイオマスエタノールの原料用に生産されているという。
 画像はアイオワ州の中央部分を捕らえている。画像2は、LANDSAT8のOLIセンサーから、RGB:432で作成した「Natural Color」にOLI8を組み合わせた空間解像度15mのカラー合成画像である。いっぽう画像3は、「Vegetatiom Analysis」 というRGB:654の合成にOLI8を足した空間解像度15mのカラー合成画像である。白く見える道路で囲まれた正方形の一辺の長さは1マイル(1.6km)で、そこを四等分した一辺800mが一区画になっている。タウンシップ制のなごりである。画像2で細い緑や紫で見える線が浅い谷である。区画はこれらに全く配慮していない。農耕にはほとんど影響を与えない、それほど浅い谷ということだろう(画像4)。
 画像2を拡大して細かく観察すると、等高線農法と思われるラインが見えたりするがこれを観るのはGoogleEarthの高解像画像の方が判りやすい。
   
     
 図1 アイオワ州のLiDAR地図(Esreiのデータから作成)    
     
     
図2  LANDSAT8 RGB:4,3,2 に OLI8を合成したしたもの  画像は、2018年6月3日に取得されたデータ。    
     
     
     
 図3 LANDSAT8 RGB:6,5,4 に OLI8を合成したしたもので、図2と同じ範囲。画像は、2018年6月3日に取得されたデータ。    
     
     
 図4  図2と3の同位置範囲をLiDAR画像で示したもの