※ 「今月の衛星画像」 2014年のテーマは 東経20度を南へ です ※

Vol.16
-02    2014年02月号

キルナ

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「今月の衛星画像」で使用したデータの中には、「研究利用目的配布」で購入したデータが含まれています。
ADEOS
衛星の場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。MOS,MOS-1bの場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。
LANDSAT
の場合、データ所有は米国政府、提供はSpace Imaging(R)/宇宙開発事業団です。
SPOT
の場合、COPYRIGHT CNES、提供はSPOT(R)/宇宙開発事業団 です。
また、メリーランド大学やUSGSのアーカイブデータを使用することもあります。

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 2014年のテーマは、「東経20度を南へ」です。衛星画像を使って、東経20度に沿った景観を見てまわりましょう。


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東経20度を南への2回目はスウェーデンのキルナである.キルナは,北緯68度,東経20度付近に位置する.このような辺境の地にありながらキルナの名を有名にしているのは鉱山のせいである.キルナには有名な鉄鉱石の鉱山がある.地理の教科書にも登場していた.教科書(あるいは副読本か?)には,大規模な露天掘りの写真が載っていたような気がするが,現在は地下1000mで採掘されているという.

『鉱脈が街の直下に延々と続き,このまま掘り進むと崩落する恐れがあるため,2030年までに順次,鉄山の反対側に街がそのまま引っ越す予定.毎夜1:161:45の間に,鉱山内で鉱脈を崩すために爆発させるダイナマイトの音が,街に響き渡る』(Wikitravelによる).日本でもときどき地下の採掘場の崩壊で,いきなり土地が陥没して大きな被害が出ることがある(例えばこの記事).しかし,町が引っ越すなどという話しはあるのだろうか?

 
 スカンジナビア半島北部からロシアのコラ半島にまたがる地域は先住民のサーミ人が住んでいる地域で,ラップランドとよばれる地域だ.ただ,この名称は辺境を意味する蔑称であるという.キルナ市の市章には鉄とライチョウが描かれている.「キルナ」という名称は,先住民の言語でライチョウを意味することに由来するという.この市章を見て気が付く人もいるだろう.ここにある文字のロゴを入れ込むと自動車メーカーのエンブレムになる.このエンブレムの由来を調べてみると,いろいろ書いてあって何が正しいのかよくわからなくなるが,円に矢印が付いたこのマーク(ハーフクロスというらしい)は,「鉄」や「製鉄」を意味するものようだ.いずれにしてもベアリング会社から興したこの会社にとって,鉄は切っても切れないゆかりのあるものなのだろう.


キルナ市の市章 自動車会社のエンブレム 
 地図
Google Earth を一部加工
画像1 
2013-10-20に取得されたLANDSAT TM データ RGB::453
画像2 キルナ市と鉱山  2013-10-20 LANDSAT Band8
画像3 Bingmapでみた鉱山