※ 「今月の衛星画像」 2018年のテーマは 赤道をめぐる です ※
 Vol.21
−01    2019年01月号

ホルチン沙地の35年」

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「今月の衛星画像」で使用したデータの中には、「研究利用目的配布」で購入したデータが含まれています。
ADEOS
衛星の場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。MOS,MOS-1bの場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。
LANDSAT
の場合、データ所有は米国政府、提供はSpace Imaging(R)/宇宙開発事業団です。またLANDAT8画像については産総研のサイトも利用しています。
SPOT
の場合、COPYRIGHT CNES、提供はSPOT(R)/宇宙開発事業団 です。
また、メリーランド大学やUSGSのアーカイブデータを使用することもあります。
2019年はGoogle EarthEngineを使用します

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 2019年のテーマは、「Google Earth Engineで変化を追う」です。


※写真や画像の引用に関する問い合わせは、こちらのリンク先ページをご覧下さい。


       
   赤丸は画像の位置を示す
   2019年のテーマは,「Google Earth Engine で変化を追う」です.担当者が多忙モードに入ったため,今年は少し手抜きをさせていただき,Googleさまを利用させていただきます.GoogleのサービスのひとつであるGoogle Earth Engineを使って,世界各地の過去30年ほどの変化を追跡してみることにします.

 中国内蒙古自治区のホルチン沙地は,ホルチン砂漠ともコルチン沙地(砂漠)ともよばれます.ここは,17世紀の清朝はじめの頃までは広大な草原が広がる「ホルチン草原」として知られていたそうです.しかし,それ以降に入植が始まり耕地の造成が始まりました.そして,1950年代とくらべて現在は人口は約4倍、小家畜(ヤギ、ヒツジ)は約300倍にも増え、無秩序な放牧や開墾が拡大しました。豊かな草原が広がっていた地域は、砂漠化の進行により今では「沙地・砂漠」と呼ばれるようになり、農牧業の生産性が低下、砂塵被害も増大し、オオカミやキツネなどの野生動物もいなくなってしまいました。ホルチン沙地(ホルチン砂漠)は,現在では全体で4万ヘクタールに及ぶ面積にまで広がってしまったそうです(http://www.env.go.jp/nature/shinrin/fpp/database/ngonpo_case/green-network.html を一部改変).
     
  画像1 ホルチン沙地の全景  赤枠内が下の動画の範囲  この画像は,2014年7月と8月のデータから作成しました.   
     
  画像2 Google Earth Engine でみたホルチン沙地の変化  上の画像をクリックし,動画(WMVファイル)を再生してください.  
   1984年以降の35年間を動画でみると,西から東に向かって砂丘が移動していることがわかります.世界の大砂漠を動画でみてもこれほど活発に移動している例はあまりないと思います.日本にやってくる黄砂の発源地はゴビ砂漠と伝えられますが,ホルチン沙地の方が日本に近いですから,ここも供給地とみてよいのではないでしょうか.