※ 「今月の衛星画像」 2025年のテーマは 境界 です ※
 Vol.27
-01    2025年01月号

衛星画像 リモートセンシング 「カザフスタン・中国国境」
 

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「今月の衛星画像」で使用したデータの中には、「研究利用目的配布」で購入したデータが含まれています。
ADEOS
衛星の場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。MOS,MOS-1bの場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。
LANDSAT
の場合、データ所有は米国政府、提供はSpace Imaging(R)/宇宙開発事業団です。またLANDAT8画像については産総研のサイトも利用しています。
SPOT
の場合、COPYRIGHT CNES、提供はSPOT(R)/宇宙開発事業団 です。
また、メリーランド大学やUSGSのアーカイブデータを使用することもあります。SENTINEL衛星のデータは,欧州機構のアーカイブによります.

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  宇宙から国境が見えることがあります.アメリカとカナダの国境は土地利用や耕地の区割りが異なることから比較的容易に国境がわかる場所があります.同じような例はヨーロッパにもあります.国境に沿って植生がはがされている場合もありますし,大きなフェンスや壁が作られている場合も容易にわかります,ただこれらは例外的なケースといえるでしょう.普通は容易に国境は判りません.
  2025年のお題は「境界」です.最初に取り上げるのは中国とカザフスタンの国境です.このケースも土地利用の仕方が大きく異なるために,国境線が比較的容易に想像がつくケースです.
カザフスタンでは農業が経済の重要な部分を占めています.乾燥した気候は、輸出用の高品質の小麦を生産するのに理想的であるといわれていますが,ほぼすべてが天水栽培だといいます.
国内の農地の半分以上は家畜用の牧草地でしめられているといいます。
  この画像に写っている地域は、中国との国境に近いカザフスタンの極東に位置し、小麦の栽培が盛んな地域であり、ひまわり、大麦、その他の食用作物も生産している可能性があります。ソ連時代の集団農場の名残で、カザフスタンの農場のほとんどは5,000ヘクタール以上の広大な区画が多いといいます。ただ,画像を見る限り,中国との国境付近ではあまり土地は利用されていないようです.一方中国では,活発に農地利用が行われていることがわかります.画像の色だけ見ても,両国の差は歴然としています.中国では灌漑農業によって,乾燥地の農業用地としての限界を克服しているようにみえます.参考:https://earthobservatory.nasa.gov/images/82127/fall-harvest-in-kazakhstan
   
 地図1 赤点は画像の場所を示す.  地図2 オープンストリートマップから引用 
 
 
画像1 カザフスタン・中国国境   Landsat9 2024年10月10日 RGB:652 というAgticulture に特化した組合せ.
中央の北東-南西に走る直線部分が国境
 
 
 
画像2 画像1の中央部分   Landsat9 2024年10月10日 RGB:652
 
 
 画像3 画像2の南部 衛星データ,コンポジット方法は,1,2に同じ
 
画像4 画像1の北端 ここはカザフスタン 湖に流入する河川の河口に広大な湿地
衛星データ,コンポジット方法は,1,2,3に同じ