※ 「今月の衛星画像」 2008年のテーマは 島 です ※

Vol.10−07    2008年07 月号

Palm Tree Island ドバイの人工島 

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ADEOS衛星の場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。MOS,MOS-1bの場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。
LANDSATの場合、データ所有は米国政府、提供はSpace Imaging(R)/宇宙開発事業団です。
SPOTの場合、COPYRIGHT CNES、提供はSPOT(R)/宇宙開発事業団 です。
また、メリーランド大学のアーカイブデータを使用することもあります。

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 2008年のテーマは「島」です。衛星画像で世界中のさまざまな「島」を見てゆきましょう。


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 金が無い身で街へ出てもつまらないと思うし、面倒くさくもあるので、私はトランジットで時間をもてあましても、ドバイ空港から外へ出たことがありません。とはいっても、ドバイ空港の金満・騒然もなじめませんので、空港もあまり居心地が良い場所ではありません。巨大なくせにいつも混みすぎです。安いチケットでは座る場所の確保もままならないので、結局は10$払ってラウンジです。やれやれ。
 最初にドバイ空港に行ったとき、建物の中に何本も巨大な椰子の木(Palm Tree)が立ち並んでいるのを見て驚きました。二度目に行ったとき、それが作り物であることに気がつき何だか少しがっかりしました。アラブの金持ちは大きな椰子の木が大好きだ などと書いてしまうと偏見だとしかられそうですが、もう一つの椰子の木の形をした作り物も人工島では世界一なのだそうです。それが、今月の話題となる「Palm Tree Island」です。

 石油でうるおう前のドバイ一帯は、真珠の輸出や漁業で暮らす人たちが住むひなびた田舎町だったそうです。1960年代半ば以降の海底油田の発見とそれに続く1970年代はじめからの産業の多角化の推進、1980年代からは経済特区の設立や国外資本の導入で経済は石油依存から中東における金融、流通、観光拠点として天井知らずの大発展というところが、今日のドバイでしょう。100万都市ドバイが、あっという間にできてしまったというわけです。
 現在のドバイの象徴が摩天楼と「Palm Tree Island」です。椰子の木の形を模した3つの島と[World」と名付けられた世界地図を模した人工島群(画像4,5)は、2000年代の初めに建設が始まりました。複雑な形を設計図通りに作るため、埋め立てにはDGPSを活用したということです。「Palm Tree Island」で検索すると、観光業者や不動産業者などの広告がたくさん出てきます。2008年にはいちおうの完成をみるようですが、一戸一億円からの別荘やアパート、ホテル、リゾート施設にブランドショップなどなど、人工の島には人々を飽きさせない仕掛がたくさん用意されているようです。

  

                              位置図 
ペルシャ湾に突き出た角の西側にドバイ、300km西にドーハが。ともにこの地域の代表的な乗り継ぎ空港です。
ドーハ空港はひなびていてほとんど何もありませんが、とても居心地の良い空港です。
画像1 LANDSAT MSS 1972年 画像2 LANDSAT TM 1990年
画像1は、急成長を始める直前のドバイ。解像度80mのMSSでは、人工物を見つけるのも難しい。ところが、20年後のドバイ(画像2)は、砂漠の中にまで町が広がり、海岸線には港湾や埋立地の人工海岸が目立つようになる。2000年の画像(画像3)には、まだ人工島は見えないが、現在の画像(画像5)には、着々と建設が進む人工島がくっきりと。あっという間の工事でありました。スケールは20km
画像3 LANDSAT ETM 2000年 スケールは20km
画像4 完成予想図 
http://realestate.theemiratesnetwork.com/developments/dubai/palm_islands.php より
画像5 建設途中の島々   Google Earthの画像から
この工事を請け負っているのは、おもにオランダの会社だそうです。日本の某大手ゼネコンも、トンネルや港湾、海底の景観整備などを請け負っているそうです。なお、オランダでは、「Tulip Island」の計画が・・・。
画像6 Palm Jumeirahの中央部分の拡大
画像7 The World はまだ建設中のようです。2008年8月 長谷川撮影。