※ 「今月の衛星画像」 2010年のテーマは 境界 です ※

Vol.12-06    2010年06月号

砂漠と台地の境界

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「今月の衛星画像」で使用したデータの中には、「研究利用目的配布」で購入したデータが含まれています。
ADEOS衛星の場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。MOS,MOS-1bの場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。
LANDSATの場合、データ所有は米国政府、提供はSpace Imaging(R)/宇宙開発事業団です。
SPOTの場合、COPYRIGHT CNES、提供はSPOT(R)/宇宙開発事業団 です。
また、メリーランド大学のアーカイブデータを使用することもあります。

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 2010年のテーマは、「境界」です。衛星画像を使って、世界の「境界」を見てまわりましょう。


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 下の画像では、北に向かって大きく湾曲しているように見える紫色の部分が目立ちます。ここは、アラビア半島のほぼ中央部(ナジドとよばれる)にある基盤岩が広く露出する台地状の部分で、湾曲した線はその北方のネフド砂漠との境界です。台地の上も、砂や礫で覆われているところが多いので「アラビア半島の大部分は砂漠です」などという説明が本に載っていることもあるのです。しかし、アラビア半島の西半分は、このような台地や紅海沿岸には山地が広く分布しています。
 下の画像で緑色に見える円形のものは、地下水を利用したセンターピポッド農場です。直径は1000m近くあります。これらの分布が、ナジドの部分に限られていることは見てすぐにわかるでしょう。サウジアラビアは、豊富な地下水(多くは化石水)を使った農場をつくり、かつては小麦を輸出するまでになったといいます。このあたりの経緯は、サウジアラビア大使館のホームページに日本語で説明されています。しかし、現在では地下水の利用に制限をかけており、水の供給が無くなった農場は砂に埋まりつつあるようです(画像2)。
 画像2の下部分を横切る水色の線は、私が乗った飛行機の航跡を示しています。5秒ごとに記録した点が、等間隔に並んでいます。飛行機に乗るときに、単三電池ほどの大きさのGPSロガーを胸ポケットに入れておくと、こういう記録を取ることができて便利です。画像3は、画像1、画像2にも見える農場の上空から撮影した写真です。


画像1 2007年2月15日 LANDSATの画像
画像2 グーグルアースの画像と飛行機の航跡
水色の線は、私の乗った飛行機のルート。飛行機の直下(画像の中央から西にかけて)には、砂に埋もれかかったかつての農場が見える。

画像3 画像1、2に見える農場を飛行機から見たもの              2010年5月5日 長谷川均撮影。
 

Hail の位置