※ 「今月の衛星画像」 2020年のテーマは カラーコンポジットの世界 です ※
Vol.22−06 2020年06月号
「オーストラリア北部の乾燥地域 衛星画像で地質を見る」
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「今月の衛星画像」で使用したデータの中には、「研究利用目的配布」で購入したデータが含まれています。
ADEOS衛星の場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。MOS,MOS-1bの場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。
LANDSATの場合、データ所有は米国政府、提供はSpace Imaging(R)/宇宙開発事業団です。またLANDAT8画像については産総研のサイトも利用しています。
SPOTの場合、COPYRIGHT CNES、提供はSPOT(R)/宇宙開発事業団 です。
また、メリーランド大学やUSGSのアーカイブデータを使用することもあります。
2020年のテーマは カラーコンポジットの世界 です
※写真や画像の引用に関する問い合わせは、こちらのリンク先ページをご覧下さい。
LANDSAT 8のOLIセンサーが捉える電磁波は、可視域よりはるかに広く紫外線域から近赤外から短波赤外域におよぶ。このうち短波赤外線バンドは、土壌や岩石に含まれるある種の鉱物の含有量の変化に敏感で、いくつかの岩石を区別できるといわれている。OLIセンサーの観測波長帯の中で、岩石判別や鉱物探査のために有効なのは可視および短波赤外線波長域のバンド2から7であるとされている。 この波長帯にある、Band2,3,4,5,7,8の6つのバンドでRGBのカラー合成画像を作る組み合わせは120通りある。ただ、理論的、経験的に有効な組み合わせは知られており、OLIでは短波赤外線波長域を組み込んだ、RGB:752や753,652、653 が知られている。また、露岩の境界を強調する組み合わせとしてRGB:567や564が有効であるとされる(https://www.micromine.com)。オーストラリア北部の乾燥地域を例に、これらの組み合わせで作成した画像が図4と5である。 いっぽう、図3はバンド比画像である。Band7/Bnad6、Bnad6/Band5、Band2/Bnad4 を計算し、それらにRGBを割り当てた。バンド比を計算することで、様々な岩石の分光特性を強調する効果がある。また、地表の凹凸によって生じる太陽光の不均一から生じる影響を減じる効果があるといわれ、図4と図5などと比較すれば、効果は一目瞭然である。図3は、まるで地質図のようなイメージである。 図1、2はこの地域の地質図である。衛星画像と地質ではな配色が異なるので比較しにくいが、裸岩地域でOLIセンサーで作成した画像を携え、フィールドで検証してみたい気にはさせるのではないだろうか。 |
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図1 オーストラリア北部の地質図 赤枠は、図3,4,5のおよその範囲 Solid Geology Of The North Australian Craton(Esrei) | ||||
図2 地質図にLANDSAT8 RGB:752 をオーバーレイしたもの 画像は、2018年7月29日に取得されたデータ。 | ||||
図3 バンド比画像(本文参照) 図4、5 に比べ、地質の境界が明瞭になりさらに地形の凹凸を消す効果もあることがわかる | ||||
図4 RGB:752 | ||||
図5 RGB:432 ナチュラルカラー画像 | ||||