※ 「今月の衛星画像」 2017年のテーマは 北40度線をたどる旅 です ※

Vol.19
−03    2017年03月号

カラボガスゴル湾 カスピ海最大の湾・潟湖

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ADEOS
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LANDSAT
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SPOT
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 2016年のテーマは、「日本の湿地」です。衛星画像を使って、日本の湿地を見てまわりましょう。


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   世界最大の湖にして、世界最大の塩湖がカスピ海であるであるが、カスピ海に面する最大の湾入部がカラボガスゴル湾である。ここは、カスピ海と狭い砂州で隔てられており、潟湖といってもよい。この湾には、カスピ海から水が流入してくるが排出する河川がないため塩分濃度が高くなっているという。カスピ海の水深は平均170mほど、湖面の高度は海面下28m程度だが、水位の変動は大きい。いっぽうこの湾の水深は10m程度だという。
 1960〜70年代には水位がかなりさがったが、理由のひとつは、湖に流入する川から灌漑(かんがい)などの目的で大量に取水したことである。80年、水位の低下をふせぐためにカラボガズゴル湾の湾口に堤防を建設し、せきとめた。これによって数年間は水位を維持できるはずだったが、83年に湾内の水は完全に干あがる。その間、カスピ海の水位は年に14〜20cmの割合で上昇しはじめた。そこで、カラボガズゴル湾にふたたび水をそそぐために水路が建設された(Microsoft(R) Encarta(R) Reference Library 2003. (C) 1993-2002 Microsoft Corporation. All rights reserved.)。 カラボガスゴル湾の乾燥化と干出に伴って、広範囲にわたって塩害や塩分を含む砂塵のダストボウルが発生したとされる。1990年代のソ連崩壊の後、この地域はトルクメニスタン領となり、海峡を堰き止めていたダムは撤去された。 
 カラボガスゴル湾周辺の低地には、これ以前の湾入部形成期前後に形成されたと思われる多数の浜堤状の地形が見られ、湖面変動の歴史を物語っている。
  
      
   位置図  北緯40度線はカラボガスゴル湾の南を通る
   
画像1 1972年12月4日 MSS画像  画像2 2000年6月16日 ETM+画像 
   
   
  画像3 1972年の北岸  干出部分の表面には高濃度の塩分が晶出している 画像4 2000年の北岸  砂州に水路が見える         
 
 
画像5 1972年の南岸 浜堤列が見える  画像6 2000年の南岸 水位が上昇していることがわかる