※ 「今月の衛星画像」 2018年のテーマは 赤道をめぐる です ※
 Vol.20
-03    2018年03月号

赤道が通る世界一高い場所 エクアドルのカヤンベ山

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ADEOS
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 2018年のテーマは、「赤道をめぐる」です。


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   ドイツの地理学者であったカール・トロールは,熱帯地方に位置する高山のなかで,特に赤道直下にあるものを赤道高山とよんで区別した.氷河のある熱帯高山の中でも,とくに氷河減少率が大きいのは,赤道直下の高山の氷河である.赤道高山の氷河は世界の3 地域にしか残っていない.東アフリカ,ニューギニア,エクアドル= アンデスである(岩田 2010年).
 このなかで,エクアドルなど,熱帯アンデスでは氷河の消滅による水資源の不足が心配されはじめたという.赤道直下のエクアドルは,国土の中央部分を南北に2列に別れたアンデス山脈が縦断する.東山脈と西山脈は並走し,4000 ~ 6000 m 級の氷河をもつ山々(多くは第四紀の火山)が連なっている.エクアドルには全世界の熱帯氷河の4%が存在している.エクアドルの氷河を特徴づけるのは,火山にかかる氷河がほとんどであり,氷帽ろそこから谷に流れ下る溢流氷河が多いということである(国際協力機構 2009年).
 画像1には,東山脈の代表的な氷帽が三座捉えられている.何れも火山である.いちばん北に位置するのがカヤンベ山で,この山の南斜面を赤道が通過している.カヤンベ山は,エクアドル共和国の首都キトの約70kmに位置し,エクアドルで三番目に標高が高い.この山は火山で,最新の噴火は1786年とされる.赤道が通過するのは,標高4,690m付近で,ここは赤道が通る世界一高い地点といわれている.

参考資料:
岩田修二 2010:赤道高山の縮小する氷河,立教大学観光学部紀要第12 号.
独立行政法人 国際協力機構 2009:アンデス熱帯氷河後退に対する適応策に係る基礎情報収集・確認調査報告書.
カヤンベ山 - Wikipedia
 
       
   地図1 エクアドルの地形  画像1は,赤道直下の東山脈の部分  画像1 2016/11/20 LANDSAT8 RGB:652  
     
画像2 カヤンベ山の氷帽    2016/11/20 LANDSAT8 RGB:652+8 による高解像度合成  
     
   
画像3 コトバヒ山(中央下)とアンティサバ山の氷帽    2016/11/20 LANDSAT8 RGB:652+8 による高解像度合成