※ 「今月の衛星画像」 2015年のテーマは 火山 です ※

Vol.17
-05    2015年05月号

Tal Al-Ashqaf火山 シリアからヨルダンに広がる溶岩流と火山

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 2015年のテーマは、「火山」です。衛星画像を使って、世界の火山を見てまわりましょう。


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    ヨルダンの北東部には広大な玄武岩の溶岩が分布する地域がある.国土の1/10程の広さである.この溶岩の原野は北のシリアから続いている新期の火山活動に伴う玄武岩の溶岩原である(画像1).ヨルダン領内だけでも20あまりの火山と2000を越える噴火口があるという. 2010年の5月,別の調査のおりにこの地域を訪れたことがある.イラクへ続く国道をひた走り,国境まで一時間という所で引き返した().沿道は一面黒い溶岩の礫で覆われている.Basalt Desert とよばれるこのような地域では Desert Pavement といわれる景観がみられる(写真1).溶岩が極端な気温差で破壊され,それらが風やゆるやかな布状流で運ばれた砂で覆われた後に表層の砂が除かれ表層の礫があらわれたものと説明されている.
 Tal Al-Ashqaf火山は,イラクへ向かう国道から1km程の所にあり国道からよく見える.行ってみようということになり,四駆車で礫原を登っていった.比高100m程の火山で中央部に200m程の噴火口がある.通信用のアンテナが何本か建っているが人の気配は無い.頂上からは黒い溶岩原に立ち上がる複数の小火山がみえた(写真2).
 
     
   
 地図1 シリア-ヨルダン国境  画像1 地図1 枠内のLANDSAT7画像 2005/04/10 RGB:432+8  
     
   
画像2 Tal Al-Ashqaf火山 2005/04/10 LANDSAT7  
   
     
  写真1 Basalt Desertの景観                写真2 Tal Al-Ashqaf火山山頂から火口を見る  
     
   
 写真3 GoogleEarth3D画像に,GPSのトラックデータ(2010/05/16)を重ねたもの.東へ向かう道路から1kmほど北へ行ったところにTal Al-Ashqaf火山はある.