※ 「今月の衛星画像」 2013年のテーマは 世界の森林 です ※

Vol.15
-11    2013年11月号

 高緯度地方の森林 レナ川流域ヤクーツク付近

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 2013年のテーマは、「世界の森林」です。衛星画像を使って、世界の「森林」を見てまわりましょう。


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 バイカル湖のすぐ西の山中に源をもつレナ川は,北東へに流路をとって北極海へ向かう.流路の半ばを過ぎるあたりで北へ転向する.ここに位置するのが永久凍土の上にある都市としては最大といわれるヤクーツクである.この辺りのレナ川は,広大な氾濫原をもち,流域は北半球でも有数のタイガをつくっている.
夏の間,地表付近は溶けるが,10月初旬から翌年の5月頃まで凍結する.ちょうどこの季節は,地表の凍結が始まり極寒の冬に向かう時期である.
 ヤクーツクの年間降水量は200mm程度で,夏の生育期間中の月平均降水量は40mm程度ととても乾燥している.樹木に必要な水分は,夏に溶ける永久凍土層からもたらされる.ヤクーツクの気温は,冬に-40℃から-50?-60℃になることがあるが,夏には30℃を越えることもあるという.
 降水量が少ないので,本来なら雨水はすぐに地中に浸透し,地表は乾燥して草原や砂漠になるはずだ.ところが,乾燥しているこの地域に森林が成立するのは,雪解けや夏のわずかな雨水が永久凍土によって浸透がさえぎられ,地表下20cm乾燥してくらいまでの土壌温度と含水量が永久凍土地帯での森林の成立を支えているからだ.この地域は,カラマツ,モミ,トウヒなどの常緑針葉樹が多く,落葉広葉樹はカンバやポプラなどが混生するという. 
 
 参考文献:ヤクーツク地方の森林の生態的特性,酒井, 昭,低温科學. 生物篇, 31,49-66,1973


  
 地図1、2 ヤクーツク周辺
  
 
 画像1 レナ川中流域  2013/09/19 LANDSAT8 RGB:452
広い氾濫原の中にヤクーツクはある.ヤクーツクの北方で東からきたアルダン川と合流する


 
画像2 ヤクーツク
人口22万人ほどのヤクーツクは永久凍土の上にある都市としては世界最大
.街の西側には段丘崖がつづく.