※ 「今月の衛星画像」 2016年のテーマは 世界の湿地 です ※

Vol.18
-09    2016年09月号

漫湖(まんこ) -陸化する干潟-

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LANDSAT
の場合、データ所有は米国政府、提供はSpace Imaging(R)/宇宙開発事業団です。またLANDAT8画像については産総研のサイトも利用しています。
SPOT
の場合、COPYRIGHT CNES、提供はSPOT(R)/宇宙開発事業団 です。
また、メリーランド大学やUSGSのアーカイブデータを使用することもあります。

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 2016年のテーマは、「日本の湿地」です。衛星画像を使って、日本の湿地を見てまわりましょう。


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   先月は東京湾の干潟を取り上げた。外国へ飛ぶことを考えていたが、つい数日前に漫湖のほとりを通ったので、急きょ漫湖に。画像1には、すでにこれまで登場した泡瀬干潟や、金武湾(きん わん)の海中道路などがみえる(泡瀬干潟 2005年11月http://bungakubu.kokushikan.ac.jp/chiri/Photo/2005NOV/05NOV.htm、泡瀬干潟と川田干潟 2016年5月号 http://bungakubu.kokushikan.ac.jp/chiri/EarthWacht/May2016/RS2016May.html、金武湾の島々 2002年1月http://bungakubu.kokushikan.ac.jp/chiri/EarthWacht/Jan2002/RSgazou.htm )。
 漫湖は、
沖縄本島南部、那覇市と豊見城市の市街地を西流する国場川(こくばがわ)と、南から合流する饒波川(のはがわ)の合流点にある長さ1.7km、最大幅0.6kmの河川の一部のことをいう。南岸にはマングローブが形成されている。漫湖は河口から3km内陸にあり、干潮時には泥質干潟が出現する。1999年に、58haがラムサール条約湿地となった。
一時期、マングローブの植林が盛んにおこなわれたことがあるそうで、そのため現在はその部分を中心に陸化が進行してしまっている。地図1は、1919年の地形図である。この大正期の地形図には、河口干潟の特徴をよく残している。現在との著しい違いが良く読み取れる。
 沖縄県は、大浦湾(辺野古)の埋め立てに対して反対の意思表示をしており、これはこれで大変評価できることだが、一方で泡瀬の埋め立て、最近では那覇空港の新しい埋立などを進めている。2016年8-9月に開催されたIUCNの総会で、サンゴ礁保護の取り組みを世界にアピールしたというが、政策の矛盾に気が付いていないらしい(もちろん気が付いているのでしょうが政治の世界の話ですから・・・)。
                                     *「全世界の河川事典」2013年丸善 の長谷川執筆部分(漫湖)から一部引用しました。
 
   
 
   画像1 沖縄本島南部 ASTER画像 2013/10/21  
 
   
 
画像1 那覇市と周辺地域  ASTER画像 2013/10/21  
   
 地図1 1919年地形図にみる漫湖と周辺地域