※ 「今月の衛星画像」 2008年のテーマは 島 です ※

Vol.10−04    2008年04月号

オーランド(アハベナンマー)諸島の島々 島が生まれてくる海 

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ADEOS衛星の場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。MOS,MOS-1bの場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。
LANDSATの場合、データ所有は米国政府、提供はSpace Imaging(R)/宇宙開発事業団です。
SPOTの場合、COPYRIGHT CNES、提供はSPOT(R)/宇宙開発事業団 です。
また、メリーランド大学のアーカイブデータを使用することもあります。

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 2008年のテーマは「島」です。衛星画像で世界中のさまざまな「島」を見てゆきましょう。


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 バルト楯状地は、新生代に激しい造山運動を受けていない安定した地塊に位置するけれど、この地域に限れば現在でも非常に活発な隆起が見られる。それは、後氷期になって氷の重さから解き放たれた大地が隆起をしているからである。バルト海一帯は、約1万年前に厚い氷床に覆われ、氷の厚さは最大3000m以上であった。ここ、オーランド諸島でも170m程度の氷に覆われていたと推測されている。前述のように、厚い氷で覆われていた地盤は氷の重さから解放されると隆起を始める。オーランド諸島は、9000年ほど前に海面から顔を出し始めたと考えられており、現在でも6mm/年の割合で隆起している。
 約6400とも6500ともいわれる島々は、現在でも海面から立ち上がりその数や面積を増しているのであろう。海面上昇で消滅する島がでると懸念される一方で、このように海面から立ち上がってゆく島々もあるのだ。今後、海面上昇と島々の隆起と、どちらが競争に勝つことになるのであろうか。
                                                       文献:古城利明編(2006)「リージョンの時代と島の自治」、中央大学出版会 。

画像1  ボスニア湾、バルト海とアドリア海とオーランド(アハベナンマー)諸島  GoogleMapより切り出す
画像2 LANDSAT 画像でみたオーランド(アハベナンマー)諸島の東部地域
大きく弧を描く島の配列、南北性のリニアメントなど、大きな地質構造もうかがえる  LANDSAT 1992年7月26日 ,RGB:432.
画像3 LANDSAT 画像でみたオーランド(アハベナンマー)諸島の東部地域 LANDSAT 1992年7月26日 ,RGB:342

画像4 定期便から眺めたオーランド(アハベナンマー)諸島(場所は不詳) 。この地域は4月頃まで海氷に覆われるという。 
                                                2005年2月、長谷川 均 撮影