※ 「今月の衛星画像」 2007年のテーマは 山脈 です ※

Vol.9-08    2007年08月号

サンバレス山脈  ルソン島西部ピナトゥボ火山周辺 

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「今月の衛星画像」で使用したデータの中には、「研究利用目的配布」で購入したデータが含まれています。
ADEOS衛星の場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。MOS,MOS-1bの場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。
LANDSATの場合、データ所有は米国政府、提供はSpace Imaging(R)/宇宙開発事業団です。
SPOTの場合、COPYRIGHT CNES、提供はSPOT(R)/宇宙開発事業団 です。
また、メリーランド大学のアーカイブデータを使用することもあります。

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 2007年のテーマは「山脈」です。衛星画像で世界中のさまざまな山脈を見てゆきましょう。



 

 本学の地理学教室が主催する国際交流セミナーは、今年で3回目を迎える。この夏は、フィリピンのデラサール大学へ行くことになっているが、巡検ではピナトゥボ火山、スービック一周辺へも出かける。そこで今回はこの一帯を見ることにした。

 ピナトゥボ火山は、サンバレス山脈(Zambales Mountains)の一角にある。この山脈は、地図でもわかるように、ルソン島西部にある山脈で火山が連なる。その理由は、プレートの境界に位置するためである。サンバレス山脈は、北にあるセントラル山脈の南の延長上にあり、そこから断層によって西にずれた部分であるといわれている。下の地図を見ると、それが理解できる。山脈の傾斜は大きく、高度のある東端部は、砂糖と米の主要な生産地である中央平原と接している。この山脈の南側はバターン半島である。第2次世界大戦中、日本軍と連合軍の激戦の地となった。日本軍による捕虜の取り扱いが問題となった「バターン死の行進」の舞台でもある。
 ピナトゥボ(Mt.Pinatubo)火山は、1991年に大規模な活動がおこり、この火山の20世紀における最大の噴火となった。標高は噴火後に250m以上も低くなり、周辺一帯に火砕流、火山灰の被害をもたらし、さらには火山堆積物に雨水が加わって火山泥流が発生した。この泥流の被害だけでも数千戸の倒壊があったという。周辺にあった、米軍のスービック海軍基地とクラーク空軍基地は、噴火により大きな被害を受けそのまま放棄されてしまった。

地図1 画像1,2の範囲
画像1 マニラ湾  「湾」の東が首都マニラ、

画像2 サンバレス山脈の主部  南端にピナトゥボからの泥流のあと。
サンバレス山脈は、全長およそ160km、最高峰は2037mである。画像の北にある湾入はリンガエン湾。海岸部にはに、浜提列らしい数列の高まりや低地の特徴的な地形が見られる。ただ、この画像は少し拡大率を小さくしたので、そのあたりの細かい部分はよく見えない。