Vol.5−12 2003年12月号
「デビルズ・タワー 「未知との遭遇 マザーシップが降りる山」 」
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「今月の衛星画像」で使用したデータの中には、「研究利用目的配布」で購入したデータが含まれています。
ADEOS衛星の場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団 です。MOS,MOS-1bの場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団 です。
LANDSATの場合、データ所有は米国政府、提供はSpace
Imaging(R)/宇宙開発事業団 です。SPOTの場合、COPYRIGHT CNES、提供はSPOT(R)/宇宙開発事業団 です。
※ 「今月の衛星画像」
2003年は名画・名作の舞台を宇宙からみる という特集を企画しました。
ただし、途中で息切れ、中断があるかもしれません。 ※
今月は、「未知との遭遇」のクライマックスで舞台となったデビルズ・タワーです。
宇宙人を悪者扱いしなかった映画は、「未知との遭遇」や「ET」など数えるほどしかないのではないだろうか。少し前の「インデペンデンス・デイ」などは、ほんとに憎々しげに醜い宇宙人像をつくりだしていた。
ひさしぶりに「未知との・・」を見たいと思ってビデオを探していたら(結局散らかった部屋のどこにもなかったけれど)、最後のほうでマザーシップが舞い降りる場面は実在する山をイメージして作られたことを思い出した。Webでかの山、デビルズ・タワーを探すといろいろ出てくる。簡潔明瞭なのが読売新聞のサイトにあった「世界の旅」という、最近の記事(2003/9/8)。ここでは、「平原に直立 異星人待つ 」と紹介されている。地質を解説したサイトもある。TerraServer USAのサイトでは、地形図と空中写真が載っている。ただ、直立した岩山だから、衛星画像で見たってたいして面白くない。地上で撮影した著作権フリーの写真がないかと探したが見つからない。北米大陸に詳しい隣室の先生に聞いたら、あんのじょう「持ってます」というのでお借りして載せたのが下の写真だ。
「悪魔の塔」の名は、1875年に軍の調査隊を率いて金鉱探査に訪れたコロネル・ドッジなる人物がその怪奇な姿にひかれて付けた。
と、読売の記事には書いてある。
左の二枚の写真は、Devils Towerビジターセンターのパンフレットに掲載された写真です(野口泰生先生提供)。 先住民は、玄武岩の柱状節理を、大きな熊がひっかいた傷だと言い伝えてきたそうです。 |
上の三枚の写真は、野口泰生先生が撮影したデビルズ・タワーの写真です。撮影当日は雲がかかっていて上部は見えなかったそうです(左)。火山岩頸基部の崖錐のようすが、特に中央の写真でよくわかります。中央の写真、右手の木の下に赤いジャケットを着た人物が写っています。岩塊の大きさの目安にしてください。 |
デビルズ・タワーはワイオミング州北東部、ベルフーシュ川沿いにあり、周辺は1906年に合衆国で最初の国定記念公園となっている。デビルズ・タワーの形は、堆積岩が侵食されてできたメサやビュートに似ていなくもないが、こちらは火山岩頸といわれるものだ。火山岩頸とは、火口の下に続く火道を満たしていたマグマが,その周囲の火山体が侵食されて現れたもの。デビルズ・タワーは、約4000万年前のもので、近くの川岸から約382メートルの比高をもってそびえ立っている。許可をとれば、ロッククライミングもできるらしい。ちなみにタワー頂部の標高は1,558mだそうだ。
地図 北米のほぼ中央に、デビルズタワーはある。 | 画像1 1998年8月18日、ランドサット7号 RGB: 5 8(ETM+) 1 180km四方をとらえたこの画像から、デビルズタワーを探すのはたいへん。 |
画像2 画像1のほぼ中央部分を、地図を頼りに拡大してゆくとポコンとした出っ張りに行き当たる(画像の中央部分)。これがデビルズ・タワーだ。この北西部にも似たような地形がいくつか見える。 | 画像3 タワーを取り囲むように、周辺は少し高くなっているようすがわかる。東側にある蛇行した河川のそばに見える円形は、センターピポッドの潅漑農地か。 |