※ 「今月の衛星画像」 2004年のテーマは 世界の国立公園 です ※

Vol.6−12   2004年12月号

「カムチャツカ半島 火山と氷河のクルチェフスカヤ国立公園 

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 カムチャツカ半島は長さ約1200km、幅約100〜450kmで、広さはほぼ日本の総面積とひとしい。半島には中央山脈と東山脈が並行に走っている。山脈の間をカムチャツカ川が北にむかって流れ、沿岸は細長い低地が広がっている。これらの山脈はいわゆる環太平洋造山帯の一部をなしている。そして、ここにはクリュチェフスカヤ山(活火山、4750m)をはじめ100以上の火山(約30が活火山)があり、山々の山頂部には氷河が形成されている。

 この地域の美しい景観は現在、森林火災の多発や投棄されたゴミによる汚染で脅威にさらされているという。1999年、カムチャツカ特有の自然を守るため、自治体は、カムチャツカ半島の3分の1を保護区に指定し、いくつかの国立公園を設けた(WWFジャパン メールマガジンによる)。そのうちの一つである、クルチェフスカヤ国立公園は、カムチャツカ半島の真ん中に位置し、ユーラシア大陸最大の火山を有する。(画像1、4)。
 カムチャツカ湾の海岸線は美しく、多くの海鳥が集まってくる。ラッコなどの生息密度も高いという。さらに、この地域にはヒグマやオオツノヒツジが生息している(WWFジャパン 世界自然保護基金 メールマガジン)。 こんにちでは、日本からの観光ツアーを行う団体もあり、千島列島の島々を訪れるより簡単らしい。今のところ日本人が大挙して訪れることはありそうにないが、自然保護団体が気をもんだいるように、早めにてをうっておくにこしたことはないのだろう。

図1 位置図
図2 半島の中央部。クリチェフスカヤ火山群とその周辺は、国立公園になっている。クロノツキー自然保護区は北流するカムチャツカ川(オレンジ色)の両岸に分かれて位置している。
画像1 雪と氷河におおわれているのは、クリュチェフスカヤ火山。北端にはシベルチ火山。海岸線は雲に覆われている。
画像2 東へ流れるカムチャツカ川の下流の湿地帯。右上はシベルチ火山。
画像3 シベルチ火山周辺の熱赤外画像
画像4 左クリュチェフスカヤ火山群。いちばん上がクリュチェフスカヤ火山(4750m)。雪と氷河におおわれているので熱赤外画像では黒く見える。この画像の左下隅から右上にかけて、数多くの小火口、噴石丘のような地形が連続しているのがわかる。この部分の鳥瞰図、氷河の解説が次のサイトに詳しい。http://geoecoserve.ees.hokudai.ac.jp/~sawagaki/bil/index.htm


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