※ 「今月の衛星画像」 2005年のテーマは 道 です ※

Vol.7−12   2005年12月号

ウルムチへ続く鉄路」 

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「今月の衛星画像」で使用したデータの中には、「研究利用目的配布」で購入したデータが含まれています。
ADEOS衛星の場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。MOS,MOS-1bの場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。
LANDSATの場合、データ所有は米国政府、提供はSpace Imaging(R)/宇宙開発事業団です。
SPOTの場合、COPYRIGHT CNES、提供はSPOT(R)/宇宙開発事業団 です。

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 2005年のテーマは「道」でした。衛星画像で世界中のさまざまな場所を旅しましたが、いかがだったでしょう。ところで、今年最後の旅は、中国西域の鉄道です。
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 書店で平積みになっていた新書本を何気なく手にした。「世界一周! 大陸横断鉄道の旅  櫻井寛、PHP新書」とある。「男だったら買うでしょう」というタイトルだと思う。負けた。
 通勤電車の中で、同じ駅から乗った隣に立つ人も、私と同じこの本を幸せそうな顔で読んでいた。男はこのてのタイトルに弱いのだ。私は「カナダ横断鉄道」がいちばんおもしろかった。いつだったか、カナディアン・ロッキーを登ってゆく長い編成をみたことがある。こんどはぜったい乗ってみたい。こんな本など買わず、せっせと小金を貯めようと決心したのであった。
 さて、この本の最初の章は「中国横断鉄道 シルクロード特快」である。この列車なら私も乗ったことがある。衛星画像を見ながらそのときの思い出に浸る今年最後の旅に出ることにしよう。櫻井寛氏の最後の文章はなかなか感じが出ている。一部を省略して引用するとこうなる。

「吐魯番を発車すると、いよい最後の山越えである天山山脈越えとなる。・・・ 文字どおり長蛇のごとき姿で、砂と岩だけの天山山中を行く。・・・・・ 天山山脈を貫く12のトンネル、その最後を抜けた瞬間、私の目に緑の草原が飛び込んできた。 ・・・  そして、そこが、シルクロードのオアシス、ウルムチ≠フ地であった」

今月の画像は、この文章を忠実に再現しようと思う。 

画像1 トルファン盆地からウルムチへ   LANDSAT TM 19998/23, RGB:741
矢印の先を連ねるた部分を鉄道が通っている。東側の白い枠は、線路が川を横切る部分(画像2、3、写真1,2参照)
画像2 天山山脈南麓をゆく鉄道(矢印の先) この3D画像は、Earth Wind(NASA)を使って作成した。垂直は3倍に拡大してある
このような画像で眺めると、大陸横断鉄道は天山山脈から流れ出す巨大扇状地の扇頂に近い部分をとおることがわかる。
画像3 植生がないので、地質構造がよくわかる LANDSAT TM 19998/23, RGB:741
枠内を南から北の方向からみた風景が下の写真
写真1 車窓から北を見る 写真2 車窓から北を見る その2
画像4 分岐した南側の山脈を横切る鉄道線路 左側(西)へ進むとやがてウルムチに着く 3D画像は、Earth Wind(NASA)を使って作成
写真3 山脈を横切る手前の景観 画像4の右端の部分を矢印の来る方向をみる 写真4 山脈を抜け出た湖畔に広がる扇状地を見る 画像4の左端ちかくを矢印の向く方向へ