※ 「今月の衛星画像」 2007年のテーマは 山脈 です ※

Vol.9-02   2007年02月号

長白山脈 中・朝国境の山脈 

このページはブロードバンドを使ってご覧ください画像はWeb用に画質を落としています
このページは、1024×768以上の画面でごらんください。画面が小さいと写真の配列位置がこわれます。

「今月の衛星画像」で使用したデータの中には、「研究利用目的配布」で購入したデータが含まれています。
ADEOS衛星の場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。MOS,MOS-1bの場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。
LANDSATの場合、データ所有は米国政府、提供はSpace Imaging(R)/宇宙開発事業団です。
SPOTの場合、COPYRIGHT CNES、提供はSPOT(R)/宇宙開発事業団 です。
また、メリーランド大学のアーカイブデータを使用することもあります。

バックナンバーを見る


 2007年のテーマは「山脈」です。衛星画像で世界中のさまざまな山脈を見てゆきましょう。


 冬になって、凍った川を渡る脱北者のニュースが出ると、必ずといっていいほどTVで流れるのが凍結したトマンガン(豆満江)の映像である。この川の源流は、白頭山(2691m)の頂上にある天池(直径約4km、水深384m)だ。白頭山は長白山脈の主峰である。ちなみに、白頭山(ペクツーサン)とは、朝鮮側の呼称で中国では長白山(チャンパイシャン)とよばれる。
 長白山脈は、中国東北部と北朝鮮との国境付近を走る山脈で、北東~南西に走る平行山脈からなり,古い褶曲山脈が火山活動と河川の侵食をうけて形成されたものである。朝鮮側では白頭山から南南東に走る山脈を摩天嶺山脈といい、これと長白山脈をのせる台地は、東西240km,南北400kmに達する広さをもち,朝鮮の屋根とされている。
 白頭山の麓の直径は100km以上もあり、富士山より大きい堂々とした姿である。麓は溶岩台地の上にあり、遠望すると一面の森林に覆われた溶岩台地の上にそびえる楯状火山の姿が美しい(町田洋・白尾元理 著、「写真で見る火山の自然史」、東大出版会にこの写真が載っている)。10世紀前半から半ば頃に起こった白頭山大噴火では、火山灰が日本海を渡って東北地方や北海道に堆積したことがわかっている。


画像1 SRTMのDEMから作成した鳥瞰図。溶岩台地の上に立つ白頭山がよくわかる。
画像2 白頭山 1999/09/02/ LANDSAT TM RGB:342