※ 「今月の衛星画像」 2016年のテーマは 世界の湿地 です ※

Vol.18
-02    2016年02月号

サロベツ原野

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「今月の衛星画像」で使用したデータの中には、「研究利用目的配布」で購入したデータが含まれています。
ADEOS
衛星の場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。MOS,MOS-1bの場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。
LANDSAT
の場合、データ所有は米国政府、提供はSpace Imaging(R)/宇宙開発事業団です。またLANDAT8画像については産総研のサイトも利用しています。
SPOT
の場合、COPYRIGHT CNES、提供はSPOT(R)/宇宙開発事業団 です。
また、メリーランド大学やUSGSのアーカイブデータを使用することもあります。

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 2016年のテーマは、「日本の湿地」です。衛星画像を使って、日本の湿地を見てまわりましょう。


※写真や画像の引用に関する問い合わせは、こちらのリンク先ページをご覧下さい。


 利尻礼文サロベツ国立公園は、抜海、稚咲内海岸、利尻・礼文の両島及びサロベツ原野を含む公園で、山岳、海食崖、湿原、海岸砂丘など変化に富む景観を誇っている。このうち、サロベツ原野は、広大な泥炭地で中位、高位の泥炭層の分布とそれぞれに特徴的な湿原植物が見られる(環境省HPより簡略引用 https://www.env.go.jp/park/rishiri/)。
 サロベツ原野は、かつて15,000 ha 近い広さであったが農地開発を経た現在は約6,700 ha にまで減少している(辻井ら,2003).湿原の中には多くの河道の痕跡がみられ,はげしい河道変遷を経てきた経緯がある(岡田、2010)。このサロベツ原野にある小さな池沼のひとつが瞳沼である。この沼は。長円形で面積は約7千平方メートル、水深約2メートルほどだという。この島にある浮島の話しが、すこし前の朝日新聞のサイトに載っていた。この浮島は、厚さ約1メートルで重さは2000トンほどだという。浮島の成因は、湿原開発に伴う水路開削などで水位が変化し、浮き上がった泥炭層が1970年前後に切り離されて浮島になったらしい。この島が、雪が降りだす毎年12月初めごろから沈み始め、1月半ばにかけて50センチから1メートル近く沈下することが、岡田操氏の調査で明らかになった(岡田 操、2010 湿地研究 Vol.1,55-66)。無人カメラで捉えられた写真には、この島が水平的にも、垂直的にも移動する様子が映し出されている(下記のURL参照)。

※この文章は、文中にあげた引用先の他、次のサイトの記述からも引用しています。
http://www.asahi.com/articles/ASH554FNWH55IIPE008.html
このサイトには、浮島が動き回る様子が動画で掲載されています。

画像1 利尻島とサロベツ原野    2015年05月25日 LANDSAT8 RGB:453+8 のパンシャープン画像  
 
画像2 サロベツ原野の湿地   22015年05月25日 LANDSAT8 RGB:453+8 のパンシャープン画像
薄い雲を通してサロベツ原野をみています 
矩形の部分は、湿原から農地に換わったところです。 しかし、近年この地域は過疎化が激しくこの画像の南部を占める幌延町だけでも人口は1985年頃の3000人台から減り続け、2015年は2500人弱である。基幹産業は酪農で、乳牛のほかトナカイなども飼育されているという。高レベル放射性廃棄物の地層処分、いわゆる「幌延問題」で一躍有名になった場所でもある。