※ 「今月の衛星画像」 2016年のテーマは 世界の湿地 です ※

Vol.18
-01    2016年01月号

道東の湿地 野付崎、風連湖、霧多布

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「今月の衛星画像」で使用したデータの中には、「研究利用目的配布」で購入したデータが含まれています。
ADEOS
衛星の場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。MOS,MOS-1bの場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。
LANDSAT
の場合、データ所有は米国政府、提供はSpace Imaging(R)/宇宙開発事業団です。またLANDAT8画像については産総研のサイトも利用しています。
SPOT
の場合、COPYRIGHT CNES、提供はSPOT(R)/宇宙開発事業団 です。
また、メリーランド大学やUSGSのアーカイブデータを使用することもあります。

「今月の衛星画像」バックナンバーを見る野付崎、風連湖、尾岱沼

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 2016年のテーマは、「日本の湿地」です。衛星画像を使って、日本の湿地を見てまわりましょう。


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 北海道には、ラムサール条約に登録された日本の50湿地のうち、13の湿地が存在する。ラムサール条約とは、「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」 のことで1971年にイランのラムサールにおいて同国政府主催で開催された「湿地及び水鳥の保全のための国際会議」において採択されたものである。北海道にある湿地のうち、ここでは道東部に分布するものを取り上げてみた(画像1)。
 画像2は、日本で最大の砂嘴である野付崎(野付半島)をとらえている。野付崎は全長約30kmに及ぶ砂嘴だが、外洋側には構成物が礫サイズの堆積物が広く分布する。砂嘴の内側には、浅海域が広がり細粒な堆積物からなる湿地が形成されているが、近年は砂嘴から流れ出た細粒堆積物が堆積し湿地の環境が変化しつつあるという。
 画像3には、風連湖、霧多布湿原、厚岸湖の湿原の部分を拡大したものである。風連湖は、砂州とその上に堆積した砂丘によって外洋と隔てられ潟湖であり、タンチョウの営巣地や水鳥の飛来地として有名である。浜中湾に面した霧多布湿原は、海岸線に沿って砂丘が分布しその内側に湿地が形成されている。いっぽう、北から延びる砂嘴によって厚岸湾と隔てられた厚岸湖は、最大水深11mの海跡湖である。この湖は干満差による海水と湖水の交換がスムースで塩分濃度も高く、ここで取り上げた他の湿地とは性格を異にする。ただ、厚岸湖の北側には、別寒辺牛川に沿って8300ヘクタールの別寒辺牛湿原が広がっており、画像1と3で見ることができる。

画像1 2014年09月22日 LANDSAT8 RGB:453+8 のパンシャープン画像  
 
画像2 野付崎と国後島ケラムイ崎の湿地   2014年09月22日 LANDSAT8 RGB432+8 のパンシャープン画像  
 
 
画像3 風連湖、霧多布、厚岸湖の湿地        2014年09月22日 LANDSAT8 RGB432+8 のパンシャープン画像