※ 「今月の衛星画像」 2006年のテーマは 河口 です ※

Vol.8−07   2006年07月号

オビ川河口 北極圏の大湿地 

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ADEOS衛星の場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。MOS,MOS-1bの場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。
LANDSATの場合、データ所有は米国政府、提供はSpace Imaging(R)/宇宙開発事業団です。
SPOTの場合、COPYRIGHT CNES、提供はSPOT(R)/宇宙開発事業団 です。

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 2006年のテーマは「河口」です。衛星画像で世界中のさまざまな河口を見てゆきましょう。


 今月は、北極海に注ぎ込むロシアの大河オビ川の下流に広がる湿地帯を眺めてみよう。西シベリアの大河オビ川の中流は、多くの分流に分かれこの地域の画像もとてもすばらしい眺めだ。中流部の画像はそのうち見ていただくことにし、今回は最下流部に広がる広大な湿地を500km上空から見ることにしよう。
 この画像の元データは、1998年8月2日に取得されたものだ。短い夏の、幸運にもちょうどLANDSATが通過する日の快晴時に捉えられた画像である。オビ川では、「融氷時の洪水は4月(上流部)ないし5月(下流部)から7月下旬まで続く。とくに中流部のバシュガン湿地は,水深は浅いとはいえ日本の面積ほどの平野が浸水する。結氷日数は上流部で150日,下流部で220日(渡辺一夫、平凡社世界百科事典)」という。海氷などで河口閉塞なども起こるのかもしれないが、そのあたりの情報までは探さなかった。LANDSATでこの近隣のシーンを見ると、北極海の沿岸部には海氷と思われるものが漂っているものがある。
 オビ川は、源流をどこにとるかで全長が異なってくる。長さ3650kmと書いてあるものが多いが、5410kmとするものもある。いずれにしても、著しく長く平坦な中・下流域をとうとうと流れて、全長800kmのオビ湾に注ぎ込む。
 河口は北極圏にある。河口地帯は広大な湿地が広がる。オビ川は広大な三角州をつくりながら、網の目のように分流する。カラー合成画像で見られる色の違いは、植生や含水量、表層地質を反映しているのだろう。

地 図 は エ ン カ ル タ による
画像1 1998年 LANDSAT TM画像 左岸に大湿地が広がる
画像2 画像1の中央部分
画像3 画像1の中央東側