※ 「今月の衛星画像」 2006年のテーマは 河口 です ※
Vol.8−06 2006年06月号
「ティグリス、ユーフラテス川合流部の湿地」
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「今月の衛星画像」で使用したデータの中には、「研究利用目的配布」で購入したデータが含まれています。
ADEOS衛星の場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。MOS,MOS-1bの場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。
LANDSATの場合、データ所有は米国政府、提供はSpace Imaging(R)/宇宙開発事業団です。
SPOTの場合、COPYRIGHT CNES、提供はSPOT(R)/宇宙開発事業団 です。
2006年のテーマは「河口」です。衛星画像で世界中のさまざまな河口を見てゆきましょう。
数千年前、この両河川の流域で中東最初の文明が起こった。古代メソポタミア文明である。両河川は、イラク国内で大湿原をつくっている。イラクでは、古くからティグリス川と周辺の湖沼で漁業が営まれてきた。この沼沢地で暮らす人々は川魚を主食とする人達だった。また、このあたりは、アシの産地でもあった。1970年代以降、流域のダム建設で湿地に流れ込む水量が減少し、また1990年代には時の大統領サダムフセインが彼に非協力的なこの地の人達を排斥するため、湿原をつぶし、広大な耕地をつくることを企てる。
時の政府は、多くの水路や排水施設をつくり、湿原を乾かし始めた。乾燥し始めた湿原は塩分が多くまったく耕地には適さないという。その後、イラク戦争時に排水施設や堤防が破壊されたこともあって、緩やかに湿原は回復し始めたというが、1970年代から2000年にかけて湿地の90%が失われてしまったという。国際的な支援を受けて、いまこの湿地の回復計画が進んでいる。
1973年 LANDSAT MSS画像 北西部が当時の湿地 | 2000年 LANDSAT TM画像 |