※ 「今月の衛星画像」 2007年のテーマは 山脈 です ※

Vol.9-03   2007年03月号

カスケード山脈 Cascade Range 

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「今月の衛星画像」で使用したデータの中には、「研究利用目的配布」で購入したデータが含まれています。
ADEOS衛星の場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。MOS,MOS-1bの場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。
LANDSATの場合、データ所有は米国政府、提供はSpace Imaging(R)/宇宙開発事業団です。
SPOTの場合、COPYRIGHT CNES、提供はSPOT(R)/宇宙開発事業団 です。
また、メリーランド大学のアーカイブデータを使用することもあります。

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 2007年のテーマは「山脈」です。衛星画像で世界中のさまざまな山脈を見てゆきましょう。


 サンフランシスコからシアトル(あるいはバンクーバー)に向かって飛行機に乗る。右側に座席をとれば大規模なセンターピポッドの農場やグレートプレーンズを見ながらのフライトになるけれど、左側に座席をとれば、雄大な山並みに目をうばわれる。いずれにしても、美しい景色にメシなど食っていられるかということになる。
 左側の窓ガラスに顔を押し当てたまま眺めていると、しばらして見えてくるのがシャスタ山 (Mount Shasta)である(画像1)。この山は、 カリフォルニア州北部に位置し、カスケード山脈のほぼ南端にありカスケード山脈で二番目に高い山である。ちなみに、一番高いレーニア山 (Mount Rainier) は、ワシントン州にあって、たぶんシアトルに着陸する前に見ることができる(天候の事情で筆者未見ですが)。レーニア山はカスケード山脈の北端に近く、この北のカナダ国境あたりがカスケード山脈の北の端にあたる。カスケード山脈はこの間約1100kmにわたって南北に続いている。この山脈は、太平洋岸から、百数十キロにある。西側には海岸山脈(Coast Ranges )がこれまた南北に、カリフォルニア半島からアラスカまで連なっている。
 カスケード山脈は、西側斜面で降水量が多く、東側斜面ではごく少ない。このため山脈の西側には深い森林が広がり、東側は主として草や低木におおわれている(画像3)。なお、カスケード山脈は環太平洋火山帯の一部で、アメリカの主要な火山は大部分がここに分布している(図2)。画像2のクレーターレイクや、セントヘレンズもこの山脈にある。


図1 SRTMのDEMから作成した鳥瞰図。南東から見おろしたカスケード山脈の中南部とその奥に海岸山脈。手前はグレートプレーンズの一部。 図2 USGSによる、カスケード山脈の火山と活動時期を示す図。
画像1 北へ向かう飛行機から見たシャスタ山 (Mount Shasta)。4317m。長谷川均撮影。 画像2 飛行機から見たクレーターレイク(Crater Lake)。手前の雲の左にあるピークが標高2722m。湖の最大水深は593m。一周54kmの周回道路があるそうだ。長谷川均撮影。
画像3 カスケード山脈 2000/08/17/ LANDSAT TM RGB:342 画像4 SRTMのDEMから作成した等高線の段彩図。海岸山脈とカスケード山脈の地形の相違が明瞭である。図1の範囲に同じ。中央やや右、N22°とW122°が交わるあたりにあるのがクレーターレイク。
画像5 画像3の北部に見えるダイヤモンドピーク山(2667m)とディシューツ国立森林(湖沼の一帯)の拡大画像。スケールは10km。
画像6 中央南端に見える紫色の山ははマグロクリン山(2894m)。北端にある円形の湖がクレーターレイク。スケールは30km