※ 「今月の衛星画像」 2008年のテーマは 島 です ※
Vol.10−05 2008年05月号
「サンゴ洲島 チービシ」
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ADEOS衛星の場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。MOS,MOS-1bの場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。
LANDSATの場合、データ所有は米国政府、提供はSpace Imaging(R)/宇宙開発事業団です。
SPOTの場合、COPYRIGHT CNES、提供はSPOT(R)/宇宙開発事業団 です。
また、メリーランド大学のアーカイブデータを使用することもあります。
2008年のテーマは「島」です。衛星画像で世界中のさまざまな「島」を見てゆきましょう。
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海面上昇は日本でも大きな問題になることは間違いないが、真っ先に影響を受けるだろうと思われるのは砂でできた低平な島であるサンゴ洲島(サンゴ州島)だ。日本でサンゴ礁が見られる地域は台風が来襲することも多い地域であり、直接波浪による侵食も被るからである。
那覇空港の西に、日本を代表するサンゴ洲島のいくつかが固まって分布している。これらは、チービシと総称される三つの島々である(画像1)。チービシは、ナガンヌ島、クエフ島、神山島の三つの島からなる(画像2)。いずれも台礁と呼ばれるタイプのサンゴ礁の南側の浅瀬に、周辺の浅海底から打ち寄せられた砂礫が堆積してできている。
三つの島のうち、神山島は砂が採取されたため原型をとどめていない。かつてこの島は、米軍が那覇をねらうための大砲を構えた島であるし、それより前の1816年、イギリス艦の乗員が上陸し島の景観を記載している(「熱い自然」古今書院刊の長谷川の記載を参照してください)。三つの台礁はいずれも北側が閉じ南側が開いた構造をしている。北の卓越風向側で礁原が広くなり、明瞭な礁嶺や縁溝−縁脚系が形成され、波や風に抗してサンゴが一生懸命に造りあげた構造である(画像3)。
那覇空港の離発着時に、あるいは上空で着陸の順番待ちをしている際に、運がよければチービシの真上を飛ぶ。画像3と4は、このような時に撮ったものである。洲島の両側は堤防のような帯状のもので囲われているようにみえるが、これはビーチロックである(画像4)。ビーチロックは、自然の堤防の役割を果たしている。チービシに人家はないが、近年はダイビング船が運ぶレジャー客用の施設が作られている。
画像1 沖縄本島南部とチービシ 中央左に南北に延びるのが那覇空港。その北西にみえる白い島々がチービシ LANDSAT ETM+ 1999年 |
画像2 チービシ 西からナガンヌ島、クエフ島、神山島 LANDSAT ETM+ 1999年 |
画像3 東側の上空から見たナガンヌ島。 2007年10月、長谷川 均 撮影 |
画像4 ナガンヌ島の観光客用施設 2007年10月、長谷川 均 撮影 |