※ 「今月の衛星画像」 2014年のテーマは 東経20度を南へ です ※

Vol.16
-05    2014年05月号

ポーランド南部の農地

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「今月の衛星画像」で使用したデータの中には、「研究利用目的配布」で購入したデータが含まれています。
ADEOS
衛星の場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。MOS,MOS-1bの場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。
LANDSAT
の場合、データ所有は米国政府、提供はSpace Imaging(R)/宇宙開発事業団です。
SPOT
の場合、COPYRIGHT CNES、提供はSPOT(R)/宇宙開発事業団 です。
また、メリーランド大学やUSGSのアーカイブデータを使用することもあります。

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 2014年のテーマは、「東経20度を南へ」です。衛星画像を使って、東経20度に沿った景観を見てまわりましょう。


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 ポーランドの地形は,国土の3分の2を占める北部の比較的平坦な平野(平地となだらかな丘陵からなる)と,変化に富む南部ののこり3分の1の地域に分けられる.ほとんどの河川は北へ向かい,バルト海へ注いでいる.画像1は,ポーランドの南部を捉えた最近の画像である.この画像の範囲は南から北に向かって徐々に標高が低くなってゆく.画像の東側には,サン川(San)が西から北流するヴィスワ川(Wisla)に合流して,周辺に沖積低地をつくっている(画像2).あたりは一面の農地が拡がっているが,丘陵地の森林を伐採してつくられたようで,短冊形にのびる農地の長辺の方向がかつての丘陵面の傾斜に沿って(最大傾斜と直交する??)いるらしく様々な方向に向いているのがおもしろい(画像1,2).
 広大な農地から,農業が盛んな国というのは誰が見てもわかる.しかし,ポーランドは国土面積の42%ほどが農地で占められヨーロッパ有数の農業国であるにもかかわらず,国内の食糧需要を満たしていないという.ポーランドの農業は大規模化されておらず,90%が個人農家だという.主要な作物はライムギ、コムギ、オオムギ、オートムギなどの穀物類や、テンサイ、ジャガイモ、リンゴなどで、畜産では食肉、卵、牛乳および乳製品、羊毛などが生産される。ヤマドリタケ(本ポルチーニ茸)やエスカルゴ馬肉や羽毛なども有名である.また,カシスや世界最大の輸出高を挙げるイチゴなどの生産も大石,亜麻は品質の良さで知られる特産品でる(この部分の記述は,マイクロソフトエンカルタ,ウィキペディアなどを参考にまとめました).
 画像の西の端には,「世界一すばらしい観光地」といわれる観光都市クラクフの西側が見える.東経20°線はこの辺りを通っている(画像3).


    


 
 

 
地図1 ポーランドと周辺の地図 矩形は画像1の範囲 (LandsatLook Viewer による)   画像1 ポーランド南東部の画像 2014/03/12のLANDSATデータより作成 
この画像の西端をかすめるように東経20度線がとおる枠横の数字は,画像1~3の範囲を示す.
   
 
  画像2 ヴィスワ川(Wisla)に沿って拡がる農地  2014/03/12
ヴィスワ川は,ポーランド最長の河川.流域面積は全国土の60%に達する
 
 
 画像3 丘陵地の農地 2014/03/10 
農地をあらわす短冊形は,丘陵の傾斜に沿って分布していると思われる.大規模な人工改変無しに農地を造成していったらしいことがわかる.
 
 
画像4 観光都市クラクフの東部   2014/03/10