※ 「今月の衛星画像」 2022年のテーマは 世界の都市 です ※
 Vol.24
-05    2022年05月号

「マスカット」
 

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 アラビア半島南東端の絶対君主制国家がオマーンである.オマーンは,前国王の下で鎖国的政策が行われていた. 1970年に就任したカーブース国王は開国と近代化政策を進めた.また1960年代半ばに発見された原油の採掘で近代化と同時に経済の成長が始まった.現在は国家の近代化と経済の脱石油化が進められている. 1935年に来日した先々代の国王(来日時には退位していた)が日本の女性をみそめて結婚したという逸話があり,日本とは浅からぬ縁のある国である.日本からはUAEのドバイ経由で行く.
 オマーンは,ジオサイトとしても有名な見所がたくさんあることでも知られている.オマーンの山地には,海洋プレートの断面が見える「オフィオライト」とよばれる地層が露出しており,中央海嶺に由来する海底をおおう海洋プレートをつくる溶岩から地下深部のマントルまでの岩石を連続的に観察することができるほか,白亜紀末期から第三紀の堆積岩そして第四紀の地表堆積物まで観察できるサイトがある.ジオサイトをめぐるツァーが日本でも複数企画されたことがある.
 ところで,今月とりあげたマスカットは,このオマーンの首都である.UAEなど中東の大都市は,いまや高層ビルが建ち並ぶ景観が珍しくないが,産油国でそこそこ潤っているこの国では,高層ビルを規制し古き良き中東の景観を保っているという.
 マスカットには「小マスカット」と呼ばれる,オールド・マスカット(Old Muscat),ムトラ (マトラフ,Muttrah),ルイ (ルーウィー,Ruwi) の3つの市街地がある.岩山に囲まれ,増加する人口の収容と発展に限りのあるオールド・マスカットに代えて港湾機能と流通機能がムトラに移り,近郊のルイ,ワッタヤ,クルム,スルターン・カーブース・シティに新興住宅地や商業地が形成された.オールド・マスカットと周辺の都市は,「拡大マスカット」といえる都市を形成している(この部分の記載は,ウィキペディアによる).
 国際空港からオールド・マスカットまでは車で小一時間かかるというが,空港の東側の近年発展著しい市街地がスルターン・カーブース・シティである.古くからある3つの市街地は,周辺に山地が迫っていることから,拡大には限界がある.

                 本文は,ウィキペディアの他にブルタニカ百科事典,産総研のホームページを参考にまとめました.

   

  

   
     
     
   
  地図1マスカットの位置
   
     
      
 画像1   オマーン北部地域  
2022年1月取得, SENTINELの画像 (RGB:432)
 
   
      
      
   
画像2 マスカットの全景.  2022年1月取得, SENTINELの画像    
   
   
画像3 マスカット中心部  2022年1月取得, SENTINELの画像    
   
   
画像4 国際空港と新しい市街地,スルターン・カーブース・シティ  2022年1月取得, SENTINELの画像