※ 「今月の衛星画像」 2004年のテーマは 世界の国立公園 です ※

Vol.6−11   2004年11月号

「ワディ・ラム Wadi Rum アラビアのロレンス、アカバ遠征ルート 

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 今月のネタ、じつは国立公園ではない。本当は去年載せるはずだった(宇宙から見た名画・名作の舞台 )が、機会がないままボツになっていた。しかし、画像はなかなか見ごたえがあるし、近くには隣国の国立公園もあるし、まぁいいや。 ということで、アラビアのロレンスで有名なヨルダンの砂漠地帯が登場である。

位置図 この地図の南部がワディ・ラム
画像1 ワディ・ラム  侵食された砂岩の台地と谷   2002年3月28日、LANDSAT TM 321
 映画では、赤い砂、赤い岩、奇岩の続く赤い砂漠が美しい。見わたす限り風紋が広がる砂漠のシーンが印象的だが、今日ではアカバから、ベドウィンの人が操る四駆で疾走する砂漠ツアーに人気があるそうだ。Webで見る砂漠には、轍がいっぱいで少し興ざめ。
 そういえば、アカバはヨルダン唯一の港湾にしてアカバ湾のマリンスポーツを楽しむリゾート地として有名である。リーフベース・ReefBase(http://www.reefbase.org/)といサンゴ礁のデータベースがある。ここのWebGIS(http://www.reefbase.org/dataphotos/dat_gis.asp)でこの地域をみると、アバカ湾と紅海が出逢うシナイ半島の先端には見事なサンゴ礁が発達している。シナイ半島の先端に突き出したエジプトのモハメッド岬の周辺は、 ラス・モハメッドという国立公園になっている。アカバ湾や紅海一帯は、降水量も少なく流れ込む川も少ないから(といよりほとんど無いから)透明度の良い海が広がり、美しいサンゴ礁が形成されている。ダイバーやサンゴ礁研究者なら一度は訪れてみたいところだ。
画像2   画像の左下はアカバ湾(紅海へと続く)      データは1に同じ
 ところで、ワディ・ラムとは、「高い谷」あるいは「月の谷」はたまた「赤い砂漠」という意味だと、いろいろなサイトにさまざまなカタチで紹介されている。ワディというのは、アラビア語で河谷の意味である。もっともこの河谷は、降水のあったときにしか流れがない枯れ谷のことだ。手元にアラビア語の辞書がないので確かめることが出来ないが、高い谷でも、月の谷でも赤い砂漠でもよく感じはでているからどうでも良いじゃないかという気になった。ウディ・ラム には、ラム山という高い山がる。
画像3    エジプト、イスラエル、ヨルダンの国境付近。  データは1に同じ
 画像の中央を南北に走るのはヨルダン川に沿う世界最大の地溝帯。北端は死海。
左上から右下方に伸びる直線はエジプトとイスラエルの国境。国境沿いに水路でもあるのか?。色が濃いのはイスラエル側に植生が見られるためである。
ロレンスのアカバ遠征ルートhttp://www.be.asahi.com/20041023/W21/0001.htmによる
 ロレンスのアカバ遠征については、最近になってHNK(http://www.nhk.or.jp/sonotoki/2004_09.html#03)で放映されたし、朝日新聞(http://www.be.asahi.com/20041023/W21/0001.html)にも出ていた。


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