※ 「今月の衛星画像」 2014年のテーマは 東経20度を南へ です ※

Vol.16
-08    2014年08月号

無料でLANDSAT データを入手する方法

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「今月の衛星画像」で使用したデータの中には、「研究利用目的配布」で購入したデータが含まれています。
ADEOS
衛星の場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。MOS,MOS-1bの場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。
LANDSAT
の場合、データ所有は米国政府、提供はSpace Imaging(R)/宇宙開発事業団です。
SPOT
の場合、COPYRIGHT CNES、提供はSPOT(R)/宇宙開発事業団 です。
また、メリーランド大学やUSGSのアーカイブデータを使用することもあります。

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 2014年のテーマは、「東経20度を南へ」です。衛星画像を使って、東経20度に沿った景観を見てまわりましょう。


※写真や画像の引用に関する問い合わせは、こちらのリンク先ページをご覧下さい。


 東経20°線に沿って南下する旅は,チャドまで来たところで一休みです.今月は時々問い合わせをいただく「衛星データの入手先」を紹介します.

LANDSAT8が運用を初めて一年が経ちました.LANDSATデータは,アーカイブが整備された十年ほど前から無料で提供されるようになり,私たちも教材に,研究にととても有効に使っています.従来からあるアーカイブとしては,USGSのEarth Explorer (画像1)と メリーランド大学のGLCF (画像2) が有名です.前者はデータをダウンロードする場合,あらかじめ利用者の情報を登録しておかなければなりませんがたいして面倒な作業ではありません.登録すれば,40年前からストックされているLANDSATの世界中のデータにアクセスできます.また,このアーカイブにはLANDSAT8のデータも比較的早期にアップロードされるようです.後者は,登録無しで使えるアーカイブで,ここにも膨大なデータがあります.ただし,新しいデータは前者の方が多いようです.LandsatLook Viewerという検索システムもありますが,これはEarthExplorerと連携しています.

     
   画像1 USGS EarthExplorer のトップ画面
登録しなくてもデータの検索は可能
  画像2 GLCFのトップ画面
登録無しでデータをダウンロードできる

 日本のアーカイブとしては,産総研総合研究所(以前は地質調査所という名称でした)の LANDSAT-8直接受信・即時公開サービス があります.その名の通り,データ受信後2時間ほどでその日のデータを公開するというサービスです.提供される範囲は,日本を中心とする西アジアの一部です.私の知人は,衛星が通過する日(16日ごとに同一地点の上空を通る)に合わせて地表の観測をおこない(同期観測といいます),稲の生育ステージで変わる水田の分光反射を追跡しているそうです.日本のデータはこのサイトがいちばん早くアップされるよ というのは,最近この人から教えてもらった情報です.なお,LANDSATがいつ上空を観測するかは,LANDSATカレンダーをみればわかります

     
   画像4 LANDSAT8 直接受信・即時公開サービス のトップ画面
日本で受信したデータに限られるが,受信後約2時間で公開される
 画像5 LANDSATカレンダー
いつ,どこを通過するか検索出来る
 

 ここで紹介した3つのアーカイブからダウンロードしたデータは,「圧縮」されています.このファイルは,ウィンドウズPCの場合,エクスプローラ上でファイルを選択した後に右クリックで解凍します.この作業をすると「GeoTIFF」という形式の画像データが現れます.このデータは,画像データに緯度・経度などのジオリファレンス情報が埋め込まれたもので,PhotoshopやGIMPなどの汎用画像処理ソフトで簡単に読みとり,見ることができます.ただ,このようなソフトより世の中に出回っている衛星データ処理のフリーソフト(例えばMultiSpec)やGISソフトでカラー合成画像を作ったり,経年変化を解析するほうが面白いでしょう.
 ここでは,これらアーカイブのトップページをキャプチャして載せました.ダウンロードの方法などは,これらのサイトにある説明を参照して下さい.手始めに産総研の日本語のページから始めれば良いでしょう.むかし,私が「地理」誌にかいた文章を改訂したものが,このページににあります.古いネタですが参考になるかもしれません.また,esriジャパンのブログに,ArcGISで画像を表示する方法が紹介されています.

 今回は,光学センサーが捉えたデータの入手先を紹介しました.レーダー型センサーのデータを大量に公開しているサイトもたぶんどこかにあるでしょう.時間があるときに探してみます.ただし,SARで代表されるレーダー型センサーの画像は,判読がけっこう難しいものです.初期のSARと現在の最新型センサーで捉えた画像は,判読技術も若干異なることを,受信・販売会社の講習会に出て知りました.次のサイトでは,最新のレーダー型センサが捉えたサンプルデータが紹介されているので興味のある人はダウンロードしてご覧ください.