海に流出する赤土。ワク内は石垣島の新空港模型。海岸線のすぐそばに位置する案。 |
開発と自然保護の間で
大規模土地改良事業は1972年、沖縄の日本返還を機に20年以上にわたって行われたものです。その間のサンゴ礁の変遷は1970年代以降の空中写真の様子からもわかっています。そして1979年春には、石垣島の新空港建設予定地として白保が浮上します。サンゴ礁は浅瀬にあるため、埋め立てやすく、沖縄本島や離島でも、まず開発予定地として白羽の矢が立つ場所なのです。
白保のサンゴ礁地域、とりわけ、白保集落からカラ岳東側には数百年以上も生き続けるみごとなサンゴ礁の生態系が残っており、世界遺産級の自然環境といえます。しかし、開発推進派はサンゴ礁の近くの土地に空港を新たにつくり、大規模な土木工事による経済的な恩恵を享受したい。一方で自然保護派は、開発を推進したら取り返しのつかない自然破壊となり、引いては観光資源を失うと警告…。繰り返される是非論。このままでは一向に解決の気配は見えません。
8/10
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