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VOL.17-03  2015年03月

  アル・アインのオアシス農業

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 「オアシス農業」って聞きますが,あまりはっきりしたイメージがない人も多いと思いますので,今回はアル・アイン(Al Ain)で見たオアシス農業の様子を紹介します.
 アル・アインはアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ首長国,第二の都市です.地元サッカーチーム(アル・アインFC)がAFCチャンピオンズリーグで優勝(2003年)したので,都市名を聞いたことがあるかもしれません.オアシス都市として有名でUAEのミネラルウォーターの銘柄にもなっています(写真A:エティハド航空の機内食;ちょっと手ぶれです).アル・アインはUAEとオマーンの国境にあると書かれていることもありますが,現在アル・アインと呼ばれているオアシスがUAEとオマーンに分割されたといった方がいいかもしれません.
 ドバイ(Dubai)から125km,アブ・ダビ(Abu Dhabi)から160kmの距離にありますが,観光ガイドブックなどにはどう行っていいのかがあまりはっきり書かれていません.いずれの都市からもバスで行けます.ドバイからだとアル・グバイバ・バスステーション(Al Ghubaiba Bus Station)からバスが出ます(アル・グバイバのことをGoogle Earthなどでは「ゴバイバ」と書いてあります).2012年8月で料金は20Dhs.窓口で買えるので難しくありません.時刻表はなく,基本的に満員になると出発する,アラブ圏に多い方式です.私たちの場合は乗車後4~5分で出ました.主要都市間を結ぶバスゆえ乗客は多いのだと思います(写真B:満員のバス).

 
           
    写真A 写真B  
     
    写真C 写真D  

 バスの前方が女性,後方が男性というルールがしっかりあります(写真C:これはアル・アインとアブダビとの間のバスでの表示です.こちらは同じアブダビ首長国間を結ぶバスのためか,ドバイとアル・アイン間のバスよりいいバスでした;偶然かもしれません).バスに座る場合,カップルの場合は男性も前の方には座れますが,女性の中に男性一人という形になるのは嫌われます(男女の境あたりに座ることになります).出発間際に乗車した我々夫婦は混んでいることもあって男女別々に座ることになりました.普通のマイクロバスで,私は補助席です.
 少し走ると周りは砂漠(砂砂漠)になります(写真D).その中の立派な道を走って行きます.夏だし,照り返しが暑く,カーテンが引かれるので,周りは見にくいです(写真E).2時間ほどでアル・アインに到着します(写真F:街の様子).オアシスだけあって,砂漠を走ってから街に入ると,緑の多さがより多く感じられます.ホテルの庭も,ホテルがゆえというのもありますが,緑が多いです(写真G).行った時の最高気温は43℃!プールには最適です.

     
    写真E 写真F  
     
    写真G 写真H  

本題に戻りましょう.

 アル・アインの中央にオアシスと呼ばれる区域があります(Palace Museumと博物館に挟まれてあります).そこは文字通りオアシスとなっています(写真H).中に入るとこんな感じです(写真I).区画が仕切られ,低い壁があります(泥棒よけでしょうか).中をのぞくと写真Jのようになっています.ナツメヤシが栽培されています.ナツメヤシの実をデーツと呼び,これを栽培しています(したがって,デーツが栽培されているというのが正しいといえるでしょう).デーツの実はこんな感じでなっています(写真K).収穫された実がケースに入れられて,運ばれています(写真L). 

           
     写真I  写真J    
         
写真K 写真L

中は水を引く水路が張り巡らされています(写真M).所々に麻袋みたいな物が置いてありますが,これはどこに水を送るかの調整に使われるようです(写真N).

 

写真M 写真N
写真O 写真P

  こうした光景は昔と変わらぬようです.壁が見当たらないことを除けば,アル・アイン博物館に飾ってあった昔の写真(写真O)の風景(1963年のアル・アインとあります)と,それほど変わりません.
 最後は,アル・アインの写真ではなく,栽培されているというより街路樹として植えられているナツメヤシですが,全体像が見えやすいので掲載します(写真P:ヨルダン・アカバにて撮影).ナツメヤシについては「今月の地理写真 2014年06月」も参照下さい.

<写真A~N:2012年8月,加藤幸治撮影>

                                    


                                              

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