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VOL.18-05  2016年05月

  「チューリッヒのゼクセラウテン(Sechseläuten)

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 GWになるとすっかり春って感じですね.
 チューリッヒで本格的な春の訪れを祝うのが「ゼクセラウテン」というお祭りです(4月第3週頃の週末に行われます).そのクライマックスはゼクセラウテン広場(Sechseläuten platz)において,冬の象徴である雪だるま(Böögg)を焼き払うところにありますが,その前のパレードも見所です.
 パレードはツンフト(英語ではギルド;世界史ではこっちで習ったと思います)を単位に行われます.チューリッヒのツンフトについては下記(森田,1999)が詳しく,かつ分かりやすいので一読の価値がありますが,もともと同業種組合であったツンフトは現在では町内会的組織になっています.それぞれの町内会が祭りの単位であるというのは日本でもみられるのでわかりやすいと思います.チューリッヒでは山車を引くというような形ではなく,ツンフト単位でのパレードが行われるというわけです.
写真A  写真B
 写真はOberstrass地区(チューリッヒ中央駅とチューリッヒ大学Irchealキャンパスの間くらいの地区)のパレード出発前の様子です.Zunft zu Oberstrassと馬車のワゴンに書いてあります(写真A).このツンフトはリンゴ酒製造の組合が発端らしいので,パレードにはそれに関連する山車も加わります(写真B).   
     
写真C 写真D
 見所はツンフトの統一衣装(ユニフォーム)です.民族衣装風・伝統衣装風というのが正しいと思いますが,これが地区(ツンフト)によって違います.まさにツンフトのユニホームという感じです(写真C).こういうのは小さい子が着るとかわいいですよね(写真D;パレードを先導するブラスバンドの演奏をきいているところ).
写真E 写真F
 写真Eの手前の女の子達.こういう衣装を着ていると「ハイジの世界」の子達のようですが,チューリッヒの中心部に住んでいるので都会人です(笑).都会の子は馬がめずらしいのでしょう,二人で一緒に見に行きます(写真F).着飾っている馬を一緒に見上げています(写真G).出発前にお疲れ気味の少年達も(笑:写真H).
     
写真G 写真H
写真I 写真J
 写真Iは別の地区(Zunft Riesbach)の旗と衣装.男性は提灯ズボン(でいいのかな?),女性は黒い髪飾りが特徴です.赤ちゃん風の髪飾りですが,おばあさんでもこれをしています(写真J).馬車の飾りもきれいです.
 最後は街中のパレードの様子.まもなくゼクセラウテン広場.グロス・ミュンスター教会(Gross Münster)のテラスからの写真です(写真K・L). 
   
写真K 写真L 
文献:森田安一(1999):都市チューリッヒの「船乗り」ツンフトについて-ツンフト内部構成の変化と政治体制をめぐって-」森田安一編『スイスの歴史と文化』
刀水書房,pp.55-82.

<写真A~L:2015年4月,加藤幸治撮影> 
 
     




                                              

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