^


Back Number をみる

VOL.26-04

  2024年04月

  佐渡島 ジオパークの島

長谷川 均

※写真や画像の引用に関する問い合わせは,こちらのリンク先ページをご覧下さい.

「今月の衛星画像」 を見る


 佐渡島は大きい.面積は854.81km2で、主要4島と北方領土を除く日本の島の中では沖縄本島に次ぐ広さを持つ。風光明媚な島としても知られる.地質や地形の見所も多く,自治体として最近は「佐渡ジオパーク」に力を入れているようだ.
 今回紹介する写真は,佐渡島の西側の大佐渡と呼ばれる地域の海岸の中でも,古くから知られる平根崎のポットホール群である.ポットホールだけが知られているが,実はここでは,また石灰岩質砂岩が分布しさまざまなタイプの海岸カルストも見られる場所である(長谷川,2024).

   
 エの字を傾けたような輪郭を持つ佐渡島の西側が大佐渡と呼ばれる地域.大佐渡の西海岸はほぼ全域が岩石海岸である.平根崎は大佐渡の中央部からやや南にある全長600mほどの海岸である.平根崎をつくる裸岩は海側へ著しく傾くが,地層の層理面が露出している.
 
 
新潟から佐渡まではフェリーとジェットフォイル(右の写真)が運航されており,これに乗れば約1時間の近さである.佐渡島は大きな島であり,また見所も多いので数日をかけて,ゆっくり見て回りたいところである.
 
 
左の写真は波蝕ポットーホール.右はその周辺に形成されているカメニッアとよばれる溶食地形.
     
     
 
斜面一帯に広がる溝状地形もカルスト地形特有のものである.
 
     
 
長谷川均(2024)「佐渡島平根崎の中新世石灰岩質砂岩にみられる海岸カルスト地形」,日本地理学会春季学術大会,2024/3/20,青山学院大学.日本地理学会発表要旨集No.105,216ページ.
写真:2023年10月,長谷川均 撮影

       



                                              

今月の地理写真バックナンバー