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VOL27-05

  2025年05月

  「パリ:ロアシー=アン=フランス」

桐越 仁美

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 ロワシー=アン=フランスはフランスのヴァル=ドワーズ県に位置する緑豊かなコミューンです。コミューンとは、フランスにおける基礎自治体(日本でいうところの地方自治体)の最小単位です。フランスには日本のような行政上の市、町、村の区別はありません。このコミューンはパリの北東約25kmにあり、フランス最大の国際空港シャルル・ド・ゴールの所在地としても有名です。

 シャルル・ド・ゴール空港は1964年より建設が始まり1974年に開港しました。1790年に独立したコミューンとして成立したロワシー=アン=フランスは、空港建設が始まるまではとても小さな農村で、空港建設が始まった1964年当時は人口が1,300人程度しかいませんでした。しかし、空港の建設にともない開発が進み、村の周囲を取り囲む多数の道路や鉄道が建設されました。この時に建設されたパリと英仏海峡トンネルを結ぶLGV北線がコミューンの西端を通っていますが、ロワシー内には鉄道駅は存在しておらず、住民は自動車やバスを使って生活しています。

 ロワシー=アン=フランスは、ガロ・ロマン時代(前3世紀末から後5世紀後半)の趣が残る閑静な村で、昔ながらのフランス農村部の風景が残っています。村の中には石畳の道が通り、石造りの民家もところどころにみられます。中心地にはやや大きめの道が通っており、この道沿いに美術館や教会、パティスリーなどが立ち並んでいます。現在も人口 3,000 人にも満たない小さな村ですが、空港が近く観光客が多いことから、村の外縁部には大型のホテルが立地し、レストランも充実しています。

   

写真1 昔ながらの街並みが続きます

   

写真2 民家の庭先から小道まで花で彩られていてかわいらしい雰囲気

       
   
写真3 村はほとんどが石畳です
   

写真4 村の中心地

 
   

写真5 村のかわいらしい雰囲気によく合う道路標識

   

写真6 歴史を感じる家屋も多いです

     
   

写真7 昔ながらの細い道にはたくさんの自動車が

   

写真8 村はずれに並び建つホテルには、シャルル・ド・ゴール空港への送迎バスがたくさん停められています

       
       <2017年 桐越仁美 撮影>



                                              

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