■ 仁藤 智子
Satoko NITOU
 
      

 
〈自己紹介〉
日本古代史を担当している仁藤智子です。

秩父や奥多摩の山並みを遠くに望む武蔵野台地で育ちました。今でも山や木々、野の草に心がときめきます。大学進学時に勉強してみたいと思っていたのは、歴史地理学・日本文学・中国文学・国際関係論…多岐にわたりましたが、入学が許されたのは国文科でした。もともと詩歌に興味があったので、最初の歌集である『万葉集』を学ぶことにしました。学んでいるうちに、『万葉集』が生み出された時代そのものに興味を持つようになり、悩んだ末に転学科し、2年次から歴史学を学び始めました。

 文学と歴史学の学際的な研究を目指し、大学院進学後、文化人類学や東洋史など隣接する研究分野を学ぶ機会に恵まれ、前近代の王権の構造と存在形態、官僚制、空間認識、儀礼などを中心に研究しました。
 
母校のお茶の水女子大学大学院助手を経て、日本学術振興会特別研究員(
PD)に採用され、東京大学で3年間研究に従事することができました。1999年に博士論文『古代国家変質過程の研究』で、お茶の水女子大学から博士(人文科学)Ph.D.in Historyの学位を授与されました。いろいろな大学の教壇に育てられ、2014年に本学に着任しました。

趣味は、旅行、美術館巡り、映画&音楽鑑賞です


〈研究テーマ〉

日本の古代国家を、日本の歴史の中で、あるいは中国大陸や朝鮮半島など東アジア国々との関係において、どのように位置づけることができるのだろうか…考えています。自分の研究テーマである王権論や官僚制、あるいは空間認識や文化受容の在り方から研究を深めていきたいと思っています。

 7世紀から11世紀まで扱いますが、近年は奈良末から平安初期の王権のあり方−女帝・キサキ・皇族など−に関心を持っています。



〈担当している授業〉
 日本古代史AB、古代史料を読む1・2、日本史概説A、日本史演習1・2、史料の保存と管理1・2など。

「日本史概説A」は前近代の日本史を概観します。2年生以上を対象とした「古代史料を読む1・2」では、古代を知るために必要な史料を講読し、基礎的な知識の習得を目標にしています。3年生以上には、「日本古代史」で史料に基づきながら古代史をどのように構築していくことができるのか、様々な視角から論じていきます。「史料の保存と管理」は博物館学芸員資格の一角を担う科目ですが、博物館見学やグループ発表、レポートなどを課しながら、何が史料になり得るのか、どのように史料を保存し管理していくのか、考えます。「日本史演習」では、卒業論文の作成を念頭に置きつつ、研究論文の講読・正史である六国史や律令格式など法制史料の解読を通して、各自の問題意識や関心を深化させていきましょう。


〈メッセージ〉

「歴史学では食べていけない」「歴史学は役に立たない」…そんなふうに考えて敬遠してしまう風潮があります。でも、歴史に興味を持つあなた! 大学時代の4年間だけでも、どっぷりその魅力に浸ってみませんか?歴史学の奥の深さや古代史の魅力を伝えていきたいと思っています。