※ 「今月の衛星画像」 2010年のテーマは 境界 です ※

Vol.12-10    2010年10月号

米軍基地との境界線 沖縄辺野古 キャンプシュワブ

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「今月の衛星画像」で使用したデータの中には、「研究利用目的配布」で購入したデータが含まれています。
ADEOS衛星の場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。MOS,MOS-1bの場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。
LANDSATの場合、データ所有は米国政府、提供はSpace Imaging(R)/宇宙開発事業団です。
SPOTの場合、COPYRIGHT CNES、提供はSPOT(R)/宇宙開発事業団 です。
また、メリーランド大学のアーカイブデータを使用することもあります。

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 2010年のテーマは、「境界」です。衛星画像を使って、世界の「境界」を見てまわりましょう。


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 「普天間(ふてんま)基地の移設先として名前があがっている「辺野古」という地名は知っていても、それらがどこにあるかはほとんどの人が知らないのではないでしょうか。日本にある米軍基地の面積にして75%が集中する沖縄県は、日本全土の面積の1%未満の面積しかありません。基地の占める面積の広さに驚くばかりです。「沖縄経済は3K依存」とはよくいわれることです。3Kとは、基地、観光、建設です。基地があるから食っていけるのだと、長い間いわれてきましたが、基地が返還された方が経済効果が大きいことが最近になっていろいろな方面からいわれ始めています。最近の名護市議選挙で、地元住民は基地移転を完全に拒絶しました。住民の合意を得ることは不可能になったので、辺野古への移転はほぼ不可能になってしまったわけです。今月の話題は、この辺野古にある境界線の話です。この境界線が作られた砂浜は、キャンプシュワブから出動する水陸両用艇の訓練海域になっています。
 「今月の衛星画像」2010年2月号は、キューバにある米軍基地と周辺地域の境界線を取り上げました。画像2は、この時と同じような画像です。海岸線を拡大したグーグルアースの画像に見えるのは有刺鉄線のフェンスです。現地へゆくとこのフェンスには、多数のリボンメッセージが結びつけられています。写真1のリボンには、「この海を子々孫々に」と書かれていますが英語のメッセージも多数見られます。このリボンが焼かれたり、米兵とトラブルになったりという事件も起こっています。2010年8月末の報道によれば、米軍はこのフェンスを取り払って、恒久的な「壁」の建設に着手するそうです。自ら閉じこもる作戦をとり始めたということでしょうか。


画像1 ランドサットでみた沖縄中部
画像2 グーグルアースでみた辺野古海岸  矢印の先にキャンプシュワブとの境界がみえる  右側が基地
写真1,2 キャンプシュワブと辺野古を隔てる有刺鉄線 これが近々恒久的な壁に造り替えられるという
2006年 長谷川 均 撮影