※ 「今月の衛星画像」 2012年のテーマは 世界の三角州 です ※
Vol.14−09 2012年09月号
「トマンガン(豆満江)の三角州」
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「今月の衛星画像」で使用したデータの中には、「研究利用目的配布」で購入したデータが含まれています。
ADEOS衛星の場合、データ所有および提供は宇宙航空研究開発機構 (旧宇宙開発事業団)です。
MOS,MOS-1bの場合、データ所有および提供は宇宙航空研究開発機構 (旧宇宙開発事業団)です。
LANDSATの場合、データ所有は米国政府、提供はSpace Imaging(R)/宇宙航空研究開発機構 (旧宇宙開発事業団)です。
SPOTの場合、COPYRIGHT CNES、提供はSPOT(R)/宇宙航空研究開発機構 (旧宇宙開発事業団)です。
また、メリーランド大学やUSGSのアーカイブデータを使用することもあります。
2012年のテーマは、「世界の三角州」です。衛星画像を使って、世界の「三角州」を見てまわりましょう。
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先月に続いて、ロシアの沿海地方の三角州をとりあげる。トマンガン(トゥマンガン、豆満江)は、朝鮮半島の付け根あたりを東へ流 れて日本海へ注ぎ込む、中・ロ・北朝鮮の国際河川である。水源は白頭山で、以前このページで扱ったことがある。トマンガンは北朝鮮 での呼び方で中国では図們江(トゥーメンチャン)と呼称する。ロシア語では何と呼ぶのかよくわからない。引用した地図を英語表記にすると、Tumenと書いてある。これは満州語に由来するらしい。ロシア領を流れるのは、最下流部の20kmほどの部分で北朝鮮との国境をつくってるにすぎない。この川は全長約521km、流域面積は41,200km2である。 画像1を見ると、河川の最下流部に広く湿地が形成されておりたくさんの湖沼が形成されている。また、海岸に沿って、河口の両側の部分にとても立派な浜堤列がみられる。ところが、解像度の高い画像をみると(画像2)このあたりは大規模な耕地がつくられている。 ロシアの沿海地方は日本のすぐ隣にある大穀倉地帯である。最近の報道(朝日新聞2012/08/26)によるとソ連崩壊後の経済混乱や激しい人口流出などで、広大な耕作放棄地が生まれ中国や韓国の企業が続々と農場経営に乗り出しているという。トマンガンの三角州に見られる広大な農地がこのような場所かどうかはわからないけれど、北海道と気候が似ているため日本の農業技術が生かせる利点もあるということから、沿海州で農場経営を模索する日本企業もあるということだ。 |
地図1 トマンガン(豆満江)河口部の地図 エンカルタ地図より切り出し |
画像1 トマンガン(豆満江)河口部 LANDSAT TM 2001/09/25 トゥルーカラー画像 |
画像2 トマンガン三角州の海岸部 Bing Map Aerial より切り出し |