※ 「今月の衛星画像」 2008年のテーマは 島 です ※

Vol.10−03    2008年03月号

アドリア海の島々 ダルマチア式海岸 

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ADEOS衛星の場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。MOS,MOS-1bの場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。
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 2008年のテーマは「島」です。衛星画像で世界中のさまざまな「島」を見てゆきましょう。


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 「ダルマチア式海岸」を入試に出したら、いろいろなところから怒られるだろうなと思いながら画像を作った。現在使われている高校の地理教科書に、この用語はたぶん登場していない。私が習った頃だって「入試には出るかもしれないから、いちおう覚えておけばぁ・・・」という程度の扱いだった。何だか寂しい地理用語という感じであったのだ。
 クロアチアのアドリア海沿岸地方は、ダルマチアとよばれる。アドリア海に臨むディナラ山脈(ディナラ・アルプス)は、2000m級のいくつかの山脈が、北西から南東へ並行して走っている。これらの山脈には「峠」がほとんど無いのだという。まさに海から内陸を隔てる壁のように連なっているようだ。そして、それらの一部が海にのび、没した尾根の部分が島々として海面から顔を出している。ダルマチア式海岸とは、海岸線に平行に連なる山地が沈水し、わずかに稜線部が海面から出ているような沈水海岸をさす用語である。リアス式海岸もおなじようなものをいうが、リアス式は海岸線に対して直交するような方向で尾根部と谷部が凹凸を繰り返している。なんでリアス式だけ教科書に残っているのだろう??
 この地方の風景は、ほんとうに美しいらしい。私は飛行機の上から、雲間ごしにちらっと見ただけ。「今月の地理写真」のバックナンバーにある、内田順文先生による「アドリア海の宝石」もぜひご覧ください。

画像1  アドリア海とダルマチア地方  GoogleMapより切り出す
画像2 LANDSAT 画像でみたアドリア海のダルマチア海岸 LANDSAT 2000年6月6日 ,RGB:342.
画像3 LANDSAT画像をGoogleEarthに貼り付けて作った鳥瞰図 LANDSAT 2000年6月6日 ,RGB:321
下の、画像4〜7の範囲.
画像4 ディナラ山脈は雲がかかって見えない。 画像5
画像6 画像3のほぼ中央OtokRabの右の小島の部分 画像7石灰岩の島々。入り組んだ海岸線は、良好な港をつくっている。画像3のOtokPagの島

写真:2005年2月、長谷川 均 撮影