:::桑山ゼミについて:::
 


 私たち桑山ゼミでは中世史について勉強しています。授業で使う教材は、学年の始めに学生と相談して決めます。中世史といっても範囲は広いですが、例えば私たちの代では、戦国時代の希望が多かったので、戦国大名が制定した分国法の一つ、『甲州法度之次第』を扱いました。授業は、毎回読む箇所を決め、担当者が事前に調べ、レジュメ(報告要旨プリント)を作成して報告するといった形で進んでいきます。そしてその報告について桑山先生のご指導を受けたり、学生間で議論をしたりするのです。それぞれ違った意見や考え方を持っているので、他の人の報告を聞いているだけでもなかなか面白いです。初めの頃の報告では緊張もするし、失敗もあるかと思いますが、それも経験の一つで、次回の報告ではもっと頑張ろうという気になったりします。

 桑山ゼミで過ごして良かったと思うことは、様々なことについて実践的に学べるということです。それは史料の調べ方であったり、史料の読み方であったり、辞典類の活用方法であったり、文章の書き方であったりしますが、それらはすべて卒業論文を書く上で必要な技術です。史料のたった1行について調べるために、その何倍もの史料を調べ、その調べたことをたった1、2枚のレジュメにまとめ、先生のご指摘を受ける。このような報告を何回か経験していく中で、いくつかの技術は自然に備わっていくと思います。今まで学術論文に触れる機会のなかった人や、パソコンで文章を書くことに慣れていない人でも、大丈夫、必ず慣れていきます。自分が最初に作ったレジュメと最後に作ったレジュメを見比べたとき、その成長の跡が必ず見られるでしょう。

 最後に卒業論文についてですが、テーマは基本的に学生の興味あることについて自由に選ぶことができます。授業を通して、新たなテーマに興味が湧いてくることがあるかもしれません。私たちの代でも、室町時代・安土桃山時代・江戸時代と、幅広い年代にわたっています。分からないことがあったら、もちろん、桑山先生に相談してご指導を受けられますが、同時に先生は学生の自主性を尊重してくださるので、自分から積極的に物事に取り組んでいく姿勢はとても大切だと思います。ゼミの授業を通して多くの技術を身に付け、それらを活かしてより良い卒業論文が書けるようにしたいと思います。

4年 市尾光正

3年ゼミシラバス // 4年ゼミシラバス