※ 「今月の衛星画像」 2006年のテーマは 河口 です ※
Vol.8−04 2006年04月号
「黄河(ホワンホー)」
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「今月の衛星画像」で使用したデータの中には、「研究利用目的配布」で購入したデータが含まれています。
ADEOS衛星の場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。MOS,MOS-1bの場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。
LANDSATの場合、データ所有は米国政府、提供はSpace Imaging(R)/宇宙開発事業団です。
SPOTの場合、COPYRIGHT CNES、提供はSPOT(R)/宇宙開発事業団 です。
2006年のテーマは「河口」です。衛星画像で世界中のさまざまな河口を見てゆきましょう。
黄河(ホワンホー)は、全長約5500kmの中国で二番目に長い川である。「河」そのものが黄河を意味する。ちなみに、「江」とは長江(揚子江)のことである。黄河に関しては、かつてこのホームで二回取り上げたことがある(「果てしなく広がる黄色い台地」、「崋山 中国五岳と黄河・渭河」)。流域の位置図は、前者に載せてあるのでそれを参照してほしい。
黄河は、青海省の標高5442mにあるヤーグラーダーグゼ山東麓に源を発する。深い谷を刻みながら流れ下り、いくつかの湖を経て徐々に川幅を広げながら東に下る。甘粛省のランチョウ(蘭州)で北北東に流路をかえ、内モンゴル自治区を経て東流し、さらに陝西省を通りホワペイ平原(華北平原)にはいる。ホーナン省(河南省)のランカオ(蘭考)北方で北東に流れをとり、シャントン省(山東省)のチーナン(済南)北方をへてポー海(渤海)にそそぐ(Microsoft(R)
Encarta(R)を簡略にして記述した)。
黄河の最近の話題といえば「断流」である。下流で広大な沖積平野を造りだした黄河も、近年では河口まで水が届かないことがしばしばある。断流は黄河だけに見られる現象ではなく、中国北部では、20近い河川で観測されているという(京都新聞のWeb記事)。黄河の断流に関しては、降水量の減少、気温上昇、蒸発散量の増加という気候変化に伴う影響に、農業生産、工業生産、日常生活で使用する水の増大という人為的影響で生じるという分析が有力であるらしい。
黄河の断流は、1972年に初めて観測され、このときは31kmの長さで水流が途絶えたという。しかしその後になって、700km上流にまで断流が達したこともあるという。断流により、河床に堆積した土砂が海へ排出されず、下流域で天井川化が促進され洪水の危険性が増すといった災害も懸念されているという。
1979/05/27 LANDSAT MSS | 1992/08/24 LANDSAT TM | 2000/05/02 LANDSAT ETM+ |
画像1 20年間の河口域の変化 三角州の形状や河口の位置に変化がみられる。また、湾入部最奥の沿岸域の開発も著しい。東西約185km GLCFのサムネイル画像より編集 |
画像2 2000/02/28 LANDSAT ETM RGB :143 河口の左岸側には耕地がみえる。長方形の区画は、養殖場のように見える。 画像のほぼ中央の海岸近くに見える円形の施設の直径は8.5km。この画像の東西は約185km |