私は、日本近代史を教えている佐々博雄<さっさひろお>といいます。出身地は九州、熊本市です。私が日本近代史を専門に研究するようになったのは、勿論、卒業論文で近代史を扱い、さらに中央大学大学院において日本近代を専攻したことが直接の契機ではありますが、思いかえせば、そこに至るまでにいろいろな近代史料との出会いがありました。
まず、最初に触れた近代史料は、国立国会図書館憲政資料室所蔵の史料です。大学に入りたての私は、たまたま、熊本の親戚から憲政資料室への寄託文書を預かり、当時憲政資料室におられた大久保利謙先生のもとへ届けに参りました。その際、私が持参した国友重章関係文書について先生から詳しく説明をいただいたのが、近代史料に触れた最初でした。
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